医界寸評
ネット上で悩みを持つ者がそういう者同士や専門家から助言を受けられるサイトが多数ある。それは有益であろう。しかし傍観者として閲覧する者にとっても同様に有益であろうか? 自分がその相談者の悩みを共有し共感できるほど理解していなければ実は全く違った側面だけを見ているという同床異夢に陥ってしまうかもしれない▼先日、今年度の診療報酬改定について新聞が解説記事を掲載し、それに対し協会も理事長名で抗議文を出した。直接それが自分たちの業務・使命である立場の者の関心と、そうでない傍観者の関心とは異なるのは当然であり、意見の相違する人たちがいるということをアピールすることは大切である▼しかしどちらも言いっぱなし・聞きっぱなしでは良くない。大っぴらに公に議論し聴衆すなわち国民がどちらの見解を妥当とするかで世の中は変わるのだから、その責にある者は反論には反論を以て議論してほしい。そして公表してほしい▼新聞記事はさらっと読むとよくわかったように思える。それに対して我々も異議を主張するだけではなく、利害があり、関心も持つ人たちに違った方向からの視点を示して議論を盛り上げたいものである。医療費改定は受診する患者さんたちも傍観者ではおれないのだから機会があるごとに説明し、悩みや問題を共有したいものである。(MYCONOS)