主張/この改定 評価に値する?!  PDF

主張/この改定 評価に値する?!

 2月12日に中医協総会で2014年度診療報酬改定案が厚労大臣に答申され、個別改定項目が示された。

 今回の改定では、薬価引き下げ財源が消費税増税への対応としての補填分1・36%と相殺された形となり、診療報酬本体の改定原資に使われないという措置の結果、実質マイナス1・26%というきわめて厳しい改定内容となった。これは6年ぶりの実質マイナス改定である。診療報酬本体で0・1%の財源が確保されたことに対して、日医の横倉会長は一定の評価をしたとのことであるが、果たして評価に値するであろうか。

 周知の通り初診料は12点、再診料は3点の引き上げが決まった。主治医機能の評価に関しては地域包括診療加算(20点)、地域包括診療料(1503点)の2種類の点数が新設された。かかりつけ医機能の第一歩と考えられるが、算定要件のハードルがやや高いように感じられる。在宅医療の適正化を行うとして同一建物居住者の訪問診療料の点数引き下げ、在宅時医学総合管理料への同一建物居住者の点数設定が導入された。このことは在宅医療実施医療機関にとって大打撃となる。

 そもそも在宅時医学総合管理料の趣旨は、個々の患者に対して総合的な在宅療養計画を作り、実施することにある。同一建物に居住しているか否かなど全く関係のない話なのである。

 また、うがい薬のみの処方の評価を見直しており、うがい薬のみの処方を保険適用外にする措置を念頭に置いているようであるが、例えば不要な抗生物質とともに出せばいいのかという疑問が残る。

 2月5日の日経新聞報道が「消費増税分超す上乗せ」との見出しで医療機関へのお金のばらまきであると報じている。記事では初診料が現行の2700円から2820円へ4・4%上がることが消費税増税分の3%を上回るとしている。

 初診料は診療報酬のごく一部であり、この増加率のみをもって消費税との比較、議論することには何の意味もなく、協会としてはこのことに理事長名で抗議と訂正を求める声明を出した。

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