京都市が子ども若者はぐくみ局の創設と、それに乗じて各区役所の保健センターを「保健福祉センター」化し、食中毒・感染症対策等を市内1カ所の「集約化部門」で対応するとした問題について、協会が11月18日に京都市長宛に提出した「京都市の保健医療施策についての意見」に対し、京都市内各地区医師会長から続々と賛同書をいただいている。届いた賛同書は順次、京都市長宛に提出するとともに、市会各会派へ届けている。
12月12日現在、賛同書をいただいたのは、京都北・上京東部・中京東部・中京西部・山科・西京の各地区医師会長。賛同書を届けることができたことで、当局や市会各会派の議論が協会の意見書や陳情書の懸念事項を中心に展開され、緊張感の高い審議となった。ご賛同を決断いただいた会長各位に御礼申し上げるとともに、この問題は来年も協会としての意見発信を継続するので、これから検討いただく地区からのお返事をお待ちしたい。
子ども若者はぐくみ局創設決定したが…
京都市会は12月9日、閉会本会議を開き、子ども若者はぐくみ局の創設を決める「事務分掌条例」を賛成多数で可決した。これにより2017年4月の新局設置は決まった。また、新局創設に伴う「補正予算」2400万円も決まった。これは「集約化部門」設立費用の1960万円をはじめ、支所への衛生課窓口設置やはぐくみ局のシステム改修経費に充てられる。
市会本会議では、民進党が条例改正案は賛成する一方、会派意見として「附帯意見」を出し、「今後、具体的な事業の在り方については、17年度予算に向けて整理していくとされているが、議会にも検討状況を随時示しながら、子育て施策や公衆衛生の充実に努め」ることを求め、「感染症対策など緊急時における危機管理体制を構築すること」等を要求。共産党は改正案に反対し、「はぐくみ」という言葉は大人目線の発想。札幌市の子ども未来局は、「子どもの権利条例」を策定、行動計画を立て、その実現のために立ち上げられた。子どもを権利主体と捉える必要がある。保健福祉センター化は配置人員すら示されず、不透明な提案であり、賛成できないとした。
「保健福祉センター」の創設自体は、条例事項でなく市が定める規則での対応となる。
協会は、保健福祉センター化で京都市の保健衛生行政の後退を招かないよう、議会終了後も引き続き、必要な要望・提言活動を進めていく。