協会は11月25日、京都市が「子ども若者はぐくみ局(仮称)」創設に乗じて、各行政区の保健センターを福祉事務所ともに再編し、「保健福祉センター」化する問題で、市の保健衛生行政に重大な後退が懸念されることから、京都市会に「福祉・公衆衛生を守り、向上させる地域文化を守るための京都市の保健医療施策についての陳情書」を提出した。なお、京都市長に対してはすでに11月18日付で意見書を提出している。
陳情書は、保健福祉センター創設に絞って、次の5点を要請した。
1市当局は、区役所・支所への子どもはぐくみ室の設置に伴う保健所・福祉事務所の保健福祉センター化について、拙速に結論を出さず、現場の専門職・地域の医療者・保健協議会をはじめ地域住民の意見を聞き、話し合い、再考すること。
2市当局は、「広域的な事案等に対して、効果的かつ効率的に対応する体制が組みにくい」ことを理由に、現在地域密着で行っている危機管理業務等について集約化するのでなく、地域の保健センターの専門性を一層高め、加えて広域的な事案への対応は本所の体制を強化し、なおかつ連携方法の改善を図る方向で検討すること。
3市当局は、保健福祉センター化に関して、①市内一カ所設置予定の「集約化部門」の場所、配置する人員についての人数・職種等②区役所・支所に設置予定の「医療衛生部門」の窓口に配置する人員についての人数・職種等―を議会・市民に対して明らかにすること。
4市当局は、保健福祉センター化に関して、「民泊」指導や医療監視、営業許可などの計画的・一体的に行う業務について、集約化した方が現状よりも専門性・効率的に行う体制が構築できると考えているようだが、その根拠を実際のシミュレーションに基づいて、議会・市民に対して説明すること。
5市当局は、保健福祉センター化に関して、食中毒・感染症の健康危機管理業務を集約化することで、地域の公衆衛生施策が前進すると考えているようだが、その根拠を実際のシミュレーションに基づいて、議会・市民に対して説明すること。
2017年4月とされる保健福祉センター化に向け、協会は今後も引き続き、要請活動の手を緩めない。