寸劇交えて相続税学ぶ みーみーサロンを開催  PDF

協会は10月26日に、開業医の奥様向けセミナー“みーみーサロン”を開催した。第4回目となる今セミナーでは、9医療機関9人が参加。

第1部では、講師のひろせ税理士法人・柴田陽一郎税理士より「知らないと損する相続税のこと」と題し、相続の基本と準備を中心に、様々な場面を想定した家族会議の寸劇を交えながら解説した。柴田氏は、相続と聞くとすぐに節税という言葉を思い浮かべがちであるが、今回はまず、相続をどこまで理解しているか、何を不安に思い、その不安をどう取り除いていけば良いかを学んでほしいとした。
はじめに、相続の基本として、相続人の順位や相続分、相続方法等を説明。続いて、相続の不安として、納税資金の準備、相続争い、不動産の相続方法、二次相続の問題を挙げた。
納税資金の問題は、相続があったことを知った日から10カ月の納付期間があること。慌てて納税資金を準備しなくても良いために、生前贈与や生命保険の活用を薦めた。生前贈与のメリットは、資産が圧縮され、相続時の相続税の負担が軽減されることや余裕資金を子どもや孫等に譲ることで、資産の有効活用につながること。具体的には、贈与税が掛からない年間110万円までの基礎控除を活用すると良い。その際、現金での贈与は行わず、通帳から通帳に送金して贈与があった証拠を残しておくこと等の注意点を示した。生命保険活用のメリットは、まとまった現金を速やかに受け取れること、死亡保険金は受取人の固有の財産になり、分割協議の対象にならないことなどがある。特に、相続発生時に、単純な手続きで現金化できることは大きなメリットと強調した。
相続争いが起こり、親族間の関係性がこじれると、解決までに1年超となるケースは多い。遺産分割において有効なものに遺言書があるが、注意したい点はその内容であり、誰に何を相続させるかということに加え、相続人への思いも書いておくと、争いの原因も取り除けるとアドバイスした。
不動産は、現金や預貯金と違い、切り分けて相続することができない。例えば、相続人が3人いる場合、1人は自宅、1人はガレージ、1人は相続しない代わりに他の2人から現金をもらうことで相続する「代償分割」という方法もあることを紹介。
二次相続の問題は、一次相続では配偶者の税額軽減制度により相続税は大幅に軽減されるが、二次相続では相続人が減ること。加えて、軽減措置が受けられないために相続税が増加傾向にあり、二次相続も踏まえた遺産分割を行うことが重要であると述べた。
最後に、金融機関のサービス等も利用して、まずは自身の現状を分析し、その上で生前贈与や生命保険の加入等の相続税対策が必要であるかを考えていくことが重要であると締めくくった。
第2部では、美味しいチーズケーキとコーヒーをいただきながら、相続税について参加者同士で意見交換したり、ひろせ税理士法人の講師陣に質問したりと、さらに理解を深めた。

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