京都で核兵器廃絶運動に取り組む団体で構成する核兵器廃絶ネットワーク京都(京都反核ネット)は、2016年平和のための京都の戦争展文化企画として「被ばくと平和を考える映画と講演のつどい―ビキニから福島へ」を、8月6日に開催。41人が参加した。
つどいでは、第1部としてドキュメンタリー「わしも死の海におった」(2010年・南海放送)を上映。高知県教員の山下正寿氏が、高校生とともにビキニ事件の隠された真実に迫る作品で、2016年に山下さんらが提訴した62年間国に被ばくの事実を隠され放置され続けてきた被災船員・遺族への国家賠償請求訴訟の原点が描かれている。
山下氏は京都反核ネット等が主催した4月のフォーラムで講演した際、「大きな力」で隠され続けたビキニ被災のように、福島の真実も隠される恐れがあると語った。
ビキニ被災の真実を追求し、船員らの被ばくを認めさせ、補償を求める運動は、福島の今後にもつながっていく。
第2部では、京都工芸繊維大学名誉教授の宗川吉汪氏が「福島原発事故と小児甲状腺がん」をテーマに講演。統計計算を用いて福島県の県民健康調査の結果から、小児甲状腺がんの発生が被ばくによるものとの結論を導き出した。
福島での被ばくと小児甲状腺がんの関係をめぐっては、科学者同士や運動団体の間でも様々な意見が交わされているのが実情である。
しかし大切なことは、これを政治問題として取り扱うのでなく、科学の問題、そして人権問題として捉える視点と姿勢のはずである。
宗川氏が小児甲状腺がんで講演