税務記帳講習会開く
金銭出納帳など記帳練習も
協会は、山口稔税理士を講師に迎え、5月26日に「税務記帳講習会」を開催した。
はじめに、所得税とは、その年の1月1日〜12月31日の1年間に得た所得に対して課税される税金で、利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑の10種類の所得からなると、仕組みについて解説。
記帳は、確定申告において医院の事業所得を把握する上で必要となる「青色申告決算書」や「収支内訳書」を作成するために必要不可欠であり、医業に関係する現金の収支を家計用とは区分して正しく記帳することが大切であると説明した。
続いて、その基礎資料となる金銭出納帳、銀行帳の記載方法を講習し、相手先や内容をできるだけ分かり易く記入すること、納品書や請求書、領収書等は整理し保存することが必要であるとし、実際に記帳練習も行った。
また、勘定科目の内容と仕分け、棚卸の重要性、決算月をまたぐ薬品代の計上方法や、2カ月遅れで振り込まれる社会保険診療報酬、未収金の計上方法なども解説した。
さらに、青色申告は専従者給与が必要経費に算入でき、所得を分散できるメリットがあり相続対策にもなると説明。申告を白色にするか青色にするか、措置法26条(社会保険診療報酬が5000万円以下であり、かつ、医業に係る総収入金額が7000万円以下の場合に適用でき、概算経費率を適用して計算した金額を実額計算に代えて必要経費に算入することが可能)を取るか否かの選択については、どちらが有利となるか、実額経費を計算して判断すべきとアドバイスした。
なお、2014年1月より白色申告者にも記帳は義務化されている。協会では、簡易な記帳書類として「窓口収入(現金)日計ノート」「出入伝票」の使用を推奨しているので、是非ご利用いただきたい。