実施通知や事前提出書類が変更に 厚生局・適時調査で  PDF

実施通知や事前提出書類が変更に 厚生局・適時調査で

 診療報酬点数表にある点数のうち、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているとして、地方厚生(支)局長に届出を行った上で算定する点数については、その届出受理後、当該保険医療機関に対して、施設基準に適合していることを確認するために、地方厚生(支)局により適時調査が実施されることになっている。京都府内では、近畿厚生局京都事務所が病院を対象に約2年半に1回のペースで行っている。

16年5月から調査が再開

 この適時調査は、診療報酬改定で一時中断していたが、2016年5月から再開。実施通知文書や事前提出書類等が2年ぶりに変更された。実施通知は、これまで4週間前に発出されていたが、今回1カ月前に若干早まった。当該文書の様式は、近畿厚生局管内以外の県でも同様の文書が送付されていることが確認できていることから、全国的に統一される方向であることがわかる。

 事前に提出が求められる書類については、これまで1週間前が提出期限とされていたが、今回、10日前になった上、メール等電子的な提出が求められることとなった。提出書類の内容にも変更がある。これまで必要だった「基本診療料および特掲診療料の届出状況チェックリスト」は不要となり、「各施設基準に係る『様式』」はいくつかの入院料や疾患別リハビリテーション等で求められるに留まった。例えば入院基本料等(共通)であれば、(1)入院基本料等の施設基準に係る届出書添付書類(様式9)(2)基礎名簿(健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定届のうち、全被保険者の氏名のみの名簿)(3)入院基本料等および特定入院料を算定している病棟の勤務実績表(4)勤務実績を確認する際に必要な書類(勤務実績表に用いている記号等の内容および申し送り時間がわかる一覧表、会議・研修・他部署兼務の時間および出席者がわかる一覧表)(5)特定入院料を算定している治療室の日々の入院患者数がわかる書類(6)入院基本料等の施設基準に係る届出添付書類(勤務形態)(様式7)(7)病院報告(患者票)直近1年分の写し—が求められている。

経験なければ対応で苦慮も

 調査当日に準備が求められる書類については、2年前に改定された実施通知文書よりも更に記述が少なくなり、例えば入院基本料であれば「入院基本料の施設基準に関する書類一式」としか書かれていない。適時調査に当たった経験がなければ、何を準備してよいか全くわからないと言っても過言ではない。また当日準備書類のうち、特に必要な書類については、調査前日の午前中にメールで通知するとされており、これまで調査当日に示されていたものが1日早まったとも考えられる。ここで示されるのは、例えば入院基本料等(共通)であれば「入院基本料等の施設基準に係る届出添付書類(様式9)の平均入院患者数の算出の根拠となる書類(直近1年間)」「病棟管理日誌および外来管理日誌(直近1カ月分)」「入院診療計画書(作成例3例)」「院内感染防止対策委員会の議事録(本年度分および前年度分)」等であり、これまでからも調査対象となった書類がずらりと並ぶ。書類によっては準備する期間や枚数が付記されておりわかりやすいが、知らされるのが前日ということで利点は少ない。一方で、知らせた書類以外を閲覧する場合もあるともされているので注意が必要である。

適時調査のご相談は協会へ

 適時調査の実施は、病院の規模等により、半日〜1日となっており、特に変更はない。事前に提出した書類については綿密にチェックが行われた上で、当日にチェックにより生じた疑義が確認される。事前提出書類や当日準備書類の内容から、施設基準に書かれている内容を中心に確認調査が行われるという実施方法に大きな変化はないだろう。これまで通り、日常からの関係帳票類の整備が求められる。協会では、適時調査に係る相談を随時受け付けている。会員病院においては大いにご利用いただきたい。

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