与謝・北丹医師会と懇談会
3月5日 文殊荘
「新専門医制度」への懸念と不安語られる
協会は与謝・北丹医師会との懇談会を3月5日に開催。出席は地区から与謝8人、北丹3人、事務局2人、協会から理事者5人、事務局3人であった。懇談会は与謝医師会・西原寛常務理事の司会で進行。同会・中川長雄会長は開会にあたり「診療報酬改定はネットでマイナス、わずかながらも本体プラスであったが、2年後の介護報酬との同時改定も睨みながら今後、医師会としてどう対応していけばいいか教えてほしい」とあいさつ。
続いて、垣田理事長のあいさつの後、協会から「『新専門医制度』について」と地区からのテーマ「日医のかかりつけ医機能研修制度について」および「診療報酬改定のポイントについて」を報告した。また協会が要望していた退院から1カ月以内の特定疾患療養管理料取扱いなどが改善されたことも紹介し、意見交換した。
「新専門医制度」について、地区からは、厚生労働省がモデルとする国もないままオリジナルの提案をしているなら、見込みもなく今の体制を壊して誰が責任をとるのかとの質問が出た。協会は厚労省が主導しているかたちにはなっておらず、日本の医師の在り方について議論される中で、プライマリ・ケアを担っている学会を中心に地域で医師を育てるべきだという思いで進められたと聞いている。秋に京都で開催する医療研究フォーラムや厚労省懇談を通じ、協会の問題意識に基づいて質していきたいと回答。
地区からは、「新専門医制度」については2004年に始まった医師臨床研修制度で大学医局への入局者が減り、地域に医師を異動させることが難しくなったことから、医局機能の強化としての側面と、「世界に通用する専門医をつくる」という側面から創られてきたとの認識が示された。協会が厚労省に要請するのであれば、真面目な開業医のことをきちんと話して、変な制度をつくってもうまくいかないと伝えてほしい、と要望があった。
また、2025年に向けた在宅医療の先行きについて、医師は訪問指示書を書いて看護師に訪問させるだけというようなあり方でいいのかと地区から質問。協会からは、そのようなあり方は在宅医療の推進にむしろ逆行するものではないかとの懸念とともに、実態は、地域が壊れていて、医師が頑張っていても、看護師も家族もいない中では厳しいとの見方を示した。
閉会あいさつでは北丹医師会・齊藤治人会長が「協会は身近な資料を提供して丁寧に教えてくれる」との謝意で締めくくった。