代議員月例アンケート(92)
診療報酬で人件費は賄えない 医療技術への適切な評価を!
今アンケートでは、経営が厳しい中での人材確保に伴う人件費の負担感や、それに必要な診療報酬の引き上げ要求についてたずねたところ、回答率が46%に達し、保険医の医療技術への適切な評価を診療報酬の引き上げに求める意見が寄せられた。
「常勤」少なく「非常勤」多め
開設者・専従者を除く従業員数をたずねたところ、常勤では「1〜2人」が一番多く31%、次いで常勤がいない「0人」が21%、「3〜5人」が19%、「6〜10人」が10%、「11〜15人」が7%であった。一方、非常勤は「3〜5人」「6〜10人」がそれぞれ21%と一番多く、次いで「1〜2人」が19%、非常勤がいない「0人」が14%、「11〜15人」が12%であった。雇用している常勤・非常勤の合計数では、「6〜10人」が一番多く38%、次いで「3〜5人」が24%、「11〜15人」「16人以上」がそれぞれ10%、「1〜2人」が7%であった。1日平均従業員数は「3〜5人」が43%と4割以上を占め、次いで「6〜10人」が24%、「1〜2人」が17%であった。(図1)
7割以上が現従業員数に満足
現在の従業員数が適当な人数かたずねたところ、「ちょうど良い」が74%で7割以上が満足しているとの回答であった。しかし、「不足している」は17%、「多すぎる」は7%あった。
賃金は十分に支払い
労働に見合った賃金を支払えているかたずねたところ、常勤では「支払えている」が67%、「支払えていない」が7%であった。一方、非常勤では「支払えている」が83%と8割以上、「支払えていない」が2%であった。
人件費の負担感大約4割
人件費の負担感についてたずねたところ、「負担に感じている」が36%と4割近くあり、「負担に感じていない(適度)」が33%、「どちらともいえない」が29%であった。(図2)
雇用の問題点浮き彫りに
雇用に関する問題点をたずねたところ、「シフト組みや有給休暇を消化してもらうため、人員確保が必要」が17人と一番多く、次いで「診療報酬が低く、十分な雇用が賄えない」が15人、「求人を出しているが、なかなか人材が見つからない」が13人、「時間給が高くなっていて負担」が12人であった。また、問題点なしを含む「無回答」は9人であった。さらに、「医業収入が減り、従業員整理もやむを得ない」は9人、「人間関係がうまくいかない」は8人、「施設基準取得のため、人員確保が必要」は3人であった。(図3)
診療報酬引き上げ求める声続々
自由意見欄では、「診療報酬のみでは従業員の人件費を賄いきれない状態が続いている」「診療報酬が下がっても、従業員の給与を下げることはできない。このアンバランスを企業努力でカバーせよと行政は言うつもりかもしれないが、限度がある」「院内処方から院外処方に変更した分、仕事量は減り、収入も予想以上に減少した。本体部分の技術料の加点がほしい」「介護保険のように人材充当名目の報酬のアップを希望する」「再診料の引き上げ。技術料、特に調剤料、処置料が低すぎる」など、診療報酬の引き上げを求める意見の他、「特に看護師は求人を出しても人材が見つからず、採用にあたって大きな費用がかかる」といった雇用・人件費の問題点に関する意見もあった。
協会では、今アンケートの結果も含め、今後も保険医の医療技術に対し適切な評価がされるよう、診療報酬の改善要求を実現させていきたい。