山科医師会と懇談会  PDF

山科医師会と懇談会

2月4日 山科医師会事務所

医師の地域間偏在問題で意見交換

 協会は、山科医師会との懇談会を2月4日、山科医師会事務所で開催。地区から8人、協会から6人が出席。山科医師会の紀田貢副会長の司会で進められた。

 冒頭、澤美彦会長から、医療界は高齢化に伴う医療費増大と医師の地域間の偏在という問題を抱えている。ある講演会でも、郡部の医師不足は顕著なので是正が必要だという話題があがっていた。日医としても、自主性を持って医師の偏在解消に取り組みたいということで昨年末に発表した「緊急提言」という話が出てきたのかもしれない。今後、制度の過渡期において、我々既存の医師にも何らかの影響が出てくると思うので、そういった部分を含めていろいろと話を聞きたいとあいさつされた。その後、垣田理事長のあいさつ、協会から情報提供の後、意見交換を行った。

 地区からは、まず昨年10月に施行されたマイナンバー制度について、医療界への影響や制度の廃止の可能性について質問や意見が出された。協会からは、厚労省はレセプト請求時の記載をはじめ医療の分野での活用も示唆し、また各種審議会においても将来的にはマイナンバーを社会保障番号と一体化して運用するという方針が出ているので、今後の動きには注意が必要だということ。また、制度の廃止については、例え医療分野で不都合な事態が生じても、医療以外でメリットがあると判断されれば、難しい。しかし、海外ではさまざまな問題が発生しており、その状況を鑑みると廃止の可能性は否定できない。これからも運動に取り組んでいきたいと述べた。

 次に、地区より新専門医制度について、制度の目的の一つと考えられる医師の配置管理について協会の見解を問われた。協会からは、自由開業制が損なわれることが一番の問題であり、また制度の全体像がわからないまま早急に事を進めようとする国の政策にも問題があるとの認識を示した。しかし、その反面、医師の偏在解消には規制も必要との意見もあり、今後各地域の医療提供体制を考慮した上で、地域によっては何らかの対策を講じなければいけないとも答えた。また、地区からは、専門医でありながら総合医でもある既存の開業医が、現在地域で担っている役割を、3年程度研修した総合診療専門医で担えるのか疑問であるとの意見が出された。協会からは、総合診療専門医のプログラム内容を見ても、とても地域医療をこなせるような中身ではない。総合診療専門医の行く末を不安視する声は、他地区からも出ていると述べた。最後に地区より、いろいろと問題のある制度だが、若い医師があまり制度のことで振り回されずに、しっかりと患者を診察できるような弾力性をもった制度にしなければならないとの考えが示された。 

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