所得税・贈与税の税率構造改正など解説  PDF

所得税・贈与税の税率構造改正など解説

白色確定申告説明会開く

 協会は鴨井勝也税理士を講師に、2015年分白色確定申告説明会を2月12日に開催。

 説明会では、15年分確定申告の所得税および贈与税についての主な改正点を解説するとともに、申告書の書き方について説明した。

所得税の改正点

 所得税に関する主な改正点は、(1)所得税の税率構造が改正され、課税される所得金額4000万円超について45%の税率が設けられたこと。(2)財産債務調書の提出制度が創設され、所得税等の確定申告書を提出しなければならない者で、その年分の総所得金額および山林所得金額の合計が2000万円を超え、かつ、その年の12月31日において、その価額の合計が3億円以上の財産またはその価額の合計が1億円以上の国外転出特例対象財産を有する者は、その財産の種類、数量および価額ならびに債務の金額その他必要な事項を記載した財産債務調書の提出が必要となったこと。(3)ふるさと納税制度の控除限度額が、住民税の所得割の現行1割が2割に引き上げられ、16年度分以後の住民税について適用されることなど。

 また、(2)の財産債務調書の提出対象者は、所得の合計額が2000万円を超える者が「財産および債務の明細書」として提出していた従来よりも、かなり減少すると思われるが、提出漏れ又は記載漏れについては罰則(その財産または債務に関して所得税の申告漏れが生じたときは、過少申告加算税等が5%加重される)があるので注意を促した。

贈与税の改正点

 贈与税については、(1)税率構造が改正され、贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者がその者の直系尊属(父母や祖父母等)から贈与を受けた場合に適用する「特例税率」が「一般税率」とは別に設けられ二本立てとなったこと。(2)住宅取得資金贈与の非課税限度額が拡大され、15年1月1日から19年6月30日までの贈与について適用されること。(3)結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税が、受贈者(20歳以上50歳未満の者)の結婚・子育て資金(婚礼、住居、妊娠・出産に要する費用等)に充てるために、その直系尊属が金銭等を支出して金融機関(信託会社や銀行等など)に信託等をした場合、受贈者1人につき1000万円(結婚費用は300万円を限度)まで非課税となる制度が創設され、15年4月1日から19年3月31日まで適用されることなどを情報提供した。

申告書への記載マイナンバーは不要

 マイナンバーの記載に関しては、15年分の確定申告書には必要ないが、税務関係では16年1月より事業所として、従業員の扶養控除等(異動)申告書や源泉徴収票への個人番号記載が必要となっているので、本人確認をしっかり行って従業員からマイナンバーを取得し、厳重に保管していかなければならないと説明した。

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