左京医師会と懇談会
1月16日 ウェスティン都ホテル
在宅患者支えるために現場の医師の声結集を
協会は1月16日、左京医師会との懇談会を開催。地区から28人、協会から6人が出席した。
左京医師会の伊地智俊晴理事の司会で開会。冒頭、左京医師会の出木谷寛会長より「地域医療構想、地域包括ケアのキーワードは、より質の高い医療をより安く、ということのようだが、より安いということは、我々の収入が下がるということだ。一方、医療の質の高低はどのように評価するのか。これは極めて個人個人の主観、感覚に基づくものである。主観を定量的に評価するというのは、非常に乱暴だと思う。また、昨年一年を振り返ると声の大きい方が勝つということを改めて思い知らされた。戦いの時には理論武装することも大事だが、それ以上に大きな声を出すことが大事だと感じている。左京医師会としては、国民の安心と安全を守るために尽力していきたい」とあいさつした。協会より垣田理事長のあいさつ、各部会からの情報提供を行い意見交換に移った。
地区より「地域医療構想による病床削減で多くの患者が病院から出るということになり、地域の医師会の医師が訪問診療していくことになる。しかし、今まで病院で長期療養していた人がいきなり自宅に帰るとは考えにくく、サ高住に入ることが多くなる。サ高住は質がバラついているという意見がある。我々はどのように関係していったらよいのか」との意見が出された。
これに対して協会は「安倍首相は『新三本の矢』として『介護離職ゼロ』を打ち上げたが、国は介護報酬で、介護施設、介護職員を評価していない。国が金を出さないと介護離職は止まらない。現在、厚労省は『療養病床の在り方等に関する検討会』を開催し、新たな2類型への移行を議論している。医療ニーズが高い患者のための施設と、医療療養病床の医療区分1に該当する医療ニーズの低い患者のための施設に分けていこうとしている。問題は、それぞれどれ位の病床を保障するのか、介護職員を確保するか、医療職を育てるのかが議論されていないことだ。かなり重症であっても在宅で看取りまでできる患者を増やしていこうという方向であり、我々もその役割を担うことになる。診療報酬、介護報酬を上げる要求や、京都府では、この地域ではこれだけの施設が必要だという要求を、協会としても具体的に提案できるようにしていきたい」と述べた。
その他、地区から医学部の入試制度改革について意見が出され、意見交換した。