宇治久世医師会と懇談  PDF

宇治久世医師会と懇談

1月13日 うじ安心館ホール

将来の医師像どう変わる? 総合診療専門医で意見交換

 協会は1月13日、宇治久世医師会との懇談会を開催した。地区から24人、協会から8人が出席し、宇治久世医師会の増井明理事の司会で進行した。冒頭、宇治久世医師会の土井邦紘会長が「医師法改正をはじめ病院機能分担による問題や新専門医制度、事故調などの課題が多数あるが時間の許す限り意見交換を行いたい」とあいさつ。続いて協会の垣田理事長があいさつを行い、協会各部会の担当理事から各部会の報告を行った後、意見交換に移った。

 意見交換の中で、新専門医制度が話題となった。地区より「大学が昔の医局のようになって医師の偏在化を助長するのではないか。現在の開業医との関係はどうなり、年を経るに従いどのように変化していくのか将来像を教えてほしい」「一般的な疾病については診察し、特異な疾病については高次の病院にお願いすることになれば、5年間の研修で技術的に無理があろうとなかろうと開業したとしても問題ないのではないか」「地区医師会としては在宅を担当する医師が十分確保できるのかとても心配だ」などの意見が出された。 

 これに対して協会より「総合診療専門医が5年の研修だけで開業できるのか疑問である。都市部では初期診断をし、より高次の専門科などに患者を送るかどうか判断する医師を育成すると言っているので、総合診療専門医は今の内科の開業医のようなものではない。一方で過疎地については、初期診療で内科だけではなく眼科・耳鼻科そしてお産など産婦人科も担当することが想定され、現実的に可能なのかわからない。現在開業している医師については温存されていくと思う」「在宅を担当する医師を育てる制度とは全く思えない。国が全体として進めている医療提供体制改革で医師を管理したいという思惑が絡んでいる」と述べた。さらに新専門医制度に対する協会の考えとして「新専門医制度は大きな課題になるととらえている。日本が世界有数の長寿国となったのは、開業医が皆保険制度を支え地域医療を担ってきた実態がある。しかし国は医師偏在の是正を掲げつつも、総数の抑制を目指しており、この新専門医制度を行政による医師管理に利用しようとしているのではないか。その中で医師の自由裁量がどこまで守られていくのか注視していかなければならない。先輩医師としてこれからの日本の医師をどう育てていくのか、みなさんの意見をいただきながらまとめていきたい」とした。

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