亀岡市・船井医師会と懇談会
1月9日 ガレリアかめおか
「新専門医制度」は国の医師数管理の「手段」に
協会は1月9日、亀岡市・船井医師会との懇談会を開催。亀岡市医師会から14人、船井医師会から4人、協会から6人が出席した。懇談会は亀岡市医師会の藤原史博副会長の司会で進行。最初に同会の加藤啓一郎会長から「社会保障の抑制は年々厳しくなっている。協会が施行した新専門医制度のアンケートを記入していて改めて感じたのだが、開業医に対する締め付けが今後厳しくなっていくことが非常に危惧される。協会からは現状報告と、将来に対する展望を伺いたい」とあいさつがあり、それを受けて垣田理事長があいさつ、続いて協会から各部会の情報を提供するとともに、「情勢報告」「新専門医制度」「2015年度活動方針」の解説を行った後に意見交換に移った。
意見交換では、協会の活動方針について、協会は政治団体ではないので、憲法9条改憲や原発問題に関わることなく、保険医ならびに保険診療に特化した活動に集中してほしいとの要望が出る一方で、保険医にとって、憲法9条や原発問題は全く関係がないわけではなく、会員には様々な意見があると思うが、医師会とは異なる視点で、協会は常に会員にとって身近であり続けてほしいとの要望が出された。また、会員にとって、医師会や協会など、複数の医療団体があることは有益なことで、そこから得られる情報で、各会員が多角的に物事を判断できると評価され、今後とも協会との懇談会を開催していきたいとの意向が示された。
これに対して、協会は、会員によって様々な意見があることは十分に承知しているが、医師にとって国民の健康や生命を守ることは使命であり、憲法9条や原発問題も政治的立場から発言しているのではなく、あくまで医療従事者としての立場から方針を立てていることの理解を求めた。
新専門医制度の問題では、更新について各専門科目によって、そのハードルの高さが異なることが指摘された。また、非営利ホールディングカンパニー型法人は地域差があることや、その運営費用について不安の声が上がる一方で、南丹医療圏の病院では病床利用率に差があり、非営利ホールディングカンパニー型法人制度を肯定的に捉える意見も出された。協会は、医師は新専門医制度をスキルアップの「目的」として捉えがちであるが、行政は医師数をコントロールするための「手段」としており、開業医のモチベーションを下げることで、診療報酬、医療費の削減を期待しているのではないかとの懸念を示した。さらに、日医によれば、現在専門医を取得していない日医会員は35%にのぼることを紹介し、医師も新しい世代に代わっていき、新世代の開業医が地域医療を支えていくことができる、また支えていこうとする気持ちになるように、今後とも活動に力を入れていくことを強調した。
最後に船井医師会の山田智裕会長のあいさつで閉会した。