代議員月例アンケート(91)含む公費負担医療制度について
実施期間:2015年10月16日〜10月30日
実施方法:FAXネット登録会員(代議員を除く)1787人に送付
代議員91人には郵送 合計1878人
回答数:352通(診療所300病院52)うち代議員19通(診療所18病院1)
回答率:19・7%(代議員20・9%)
協会は2年ごとに『公費負担医療等の手引』の改定版を発行している。今般2015年11月の発行に合わせて、京都府内で実施されている公費負担医療制度のうち、代表的な制度についてきいた。回答数は352(回答率19・7%)であった。
患者数多く日常的な診療子育て支援医療費助成制度
児童・母子に関する制度として、子育て支援医療費助成制度(法別:45)、ひとり親家庭等医療費助成制度(法別:44)、小児慢性特定疾病医療費制度(法別:52)があるが、「知っている」はそれぞれ、88・9%、86・9%、72・2%と認知度は高かった。
患者数合計を指定医療機関数で除した1月のおおよその患者数は、100・4人、17・7人、2・7人であった。
子育て支援医療費助成制度、ひとり親家庭等医療費助成制度の「対象患者がいる」は67・0%、75・0%であり、小児慢性特定疾病医療費制度の「指定医療機関」は19・3%であった。子育て支援医療費助成制度は認知度も高く、患者数も多いため日常診療において最も対応することが多い制度であることがわかった。
自立支援医療も認知度高く
身体・精神障害に関する制度として、重度心身障害児者医療助成制度(法別:43)、自立支援医療(更生医療・育成医療)(法別:15・16)、自立支援医療(精神通院医療)(法別:21)があるが、「知っている」はそれぞれ83・0%、75・6%、62・2%。自立支援医療(更生医療・育成医療)、自立支援医療(精神通院医療)の「指定医療機関」は24・7%、20・7%であった。
自立支援医療(更生医療・育成医療)、自立支援医療(精神通院医療)の1月のおおよその患者数は、48・5人、91・5人であった。
日常診療で対応多い老人医療費助成制度
高齢者に関する制度として、老人医療費助成制度(法別:41)、重度心身障害老人健康管理事業(健管)があるが、「知っている」は90・6%、83・5%で、いずれも認知度が高かった。「対象患者がいる」は76・1%、65・1%であった。
1月のおおよその患者数は、44・7人、39・8人であった。子育て支援医療費助成制度ほど患者数は多くはないが、老人医療費助成制度も日常診療において対応することが多い制度であることがわかった。
生活保護法も同じ傾向
その他制度として、難病法に係る特定医療費助成制度(法別:54)、肝炎治療特別促進事業(法別:38)、生活保護法による医療扶助(法別:12)があるが、それぞれ「知っている」は90・9%、71・2%、94・9%と認知度は高かった。特に生活保護法については認知度が最も高いことが分かった。「指定医療機関」は59・9%、22・4%、88・1%であった。1月のおおよその患者数は、17・8人、3・8人、41・5人であり、生活保護法も日常診療において対応することが多い制度であることがわかった。
請求等複雑も患者負担軽減に
公費負担医療制度は低所得者や社会的弱者救済、治療法が未確定な疾病の治療研究、伝染病の蔓延対策、被害者救済などそれぞれの目的に応じた法律を国が定め、これらの患者の負担分を公費で負担する制度である。また、国の制度だけでは不十分な部分を自治体が補完する制度もある。患者負担の上限額管理やレセプト請求が複雑で医療機関にとって負担も多く、改善を求める声が多数あった。いただいたご意見は、制度改善につなげていきたい。また、当会発行の『公費負担医療等の手引』をご活用いただいて、より多くの医療機関が公費負担医療に関わっていただき、患者負担の軽減に役立てていただければ幸いである。
困ったこと
・初診で重度心身障害老人の患者さんが、保険証は持参されたが、重障老人を示すシールを貼っておられず、窓口で負担金分の請求をしたところ、「今まで支払ったことがない。おかしい」と怒って帰られたことがあります。シール以外に窓口では確認する方法がないので、他の明示方法があると良いです。
・(45)は市町村で給付が異なり大変苦労しています。
・(45)忘れの患者さんが多く、処理に手間がかかります。
・上限金額のある公費の管理票の他院記入もれ等でお金をもらいすぎになる。