OTC類似薬保険適用除外は療養の給付“空洞化”の端緒に  PDF

過去最悪の医療保険制度改革の危険性

会員各位とともに撤回を求めてきたOTC類似薬の保険適用除外をめぐる状況が重大な局面にある。
26年度診療報酬改定の改定率を示した『大臣折衝事項』には「OTC医薬品の対応する症状に適応がある処方箋医薬品以外の医療用医薬品のうち、他の被保険者の保険料負担により給付する必要性が低いと考えられるとき」は別途の保険外負担(特別の料金)を求める新たな仕組みを創設し、「2027年3月」に実施すると述べ、対象薬剤は「77成分(約1100品目)」(下欄)で、薬剤費の4分の1に特別の料金を設定するとの方針が書き込まれた。さらに27年度以降に「将来、OTC医薬品の対応する症状の適応がある医療用医薬品の相当部分にまで対象範囲を拡大することを目指す」とし、「特別の料金の対象となる薬剤費の割合の引き上げについても検討」としている。
薬剤費の追加負担分の「4分の1」は保険給付からの除外、つまり「自由診療」部分となる(消費税10%も上乗せ)。何もしなければ「混合診療」に当たるため、国は「保険外併用療養費制度」への新類型創設を検討している模様である。この新たな保険外併用療養費の類型が「他の被保険者の保険料負担により給付する必要性が低いと考えられるとき」を対象とするものになれば、今後、OTC類似薬にとどまらず「あらゆる療養の給付」が恣意的に対象に加えられる危険性があり「療養の給付の”空洞化”」を志向する過去最悪の制度改定となるのは必至である。
厚生労働省は1月23日から開会する通常国会に「医療保険制度改革法案」の提出を予定している。早い段階から反対の声を広げる必要がある。

特別料金の対象となる医薬品の成分一覧(案)

【一部抜粋】
アシクロビル(抗ウイルス薬)、アシタザノラスト水和物(抗アレルギー薬)、アスコルビン酸(ビタミン剤)、アンモニア水(鎮痛鎮痒収斂消炎剤)、イソコナゾール硝酸塩(抗真菌薬)など
【出所】第209回社会保障審議会医療保険部会第9回高額療養費制度の在り方に関する専門委員会(2025年12月25日)

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