OTC類似薬保険外しの問題を考える 難病連らと学習会  PDF

OTC類似薬保険外しの問題点を学ぶ学習会が10月12日に京都社会福祉会館で開かれ、28人が参加した。学習会はNPO法人京都難病連、きょうされん京都支部、京都社会保障推進協議会、京都府保険医協会の4団体で共催した。
 講師の中村事務局次長(協会)は冒頭、「病気を抱えながら必死に生活している人のことをもっと想像してほしい」と「魚鱗癬」(難病)の方の声を紹介。経済的負担が増え、生活がままならなくなる不安を訴えている。
 背景には、国の医療費抑制政策があり、「社会保険料を軽減し手取りを増やす」という一部の野党の主張が強まり、自民・公明・維新の3党合意により骨太方針2025に盛り込まれた。
 具体的な仕組みとして考えられるのは、保険外併用療養費制度の「選定療養」。保険適用除外で公費負担医療制度の対象からも外れるため、難病、高齢者、障害のある人たちや、保険外併用療養費の対象外の生活保護受給者はさらに大きな負担となり、受診自体を躊躇せざるを得ない。これを使い「後発医薬品がある先発医薬品」など次々と保険給付から外され、経済力により受けられなくなる医療がすでに増えていることに警鐘を鳴らした。
 「セルフメディケーションの推進」も解説。日本ではあからさまに「医療費の適正化」と結びつけて語られ、「健康自己責任論」思想を体現している。病気になった人を「生活習慣の改善を怠り、努力をしなかった人」とレッテルを貼り集団から排除し、人権侵害を容認する社会風潮と結びつく危険性がある。
 自己判断での服薬やオーバードーズの危険性も指摘。必要な医療は保険で全てカバーするのが国民皆保険制度であり、社会保険制度の原則に立ち返った政策の再形成が必要とした。

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