厚労省 OTC類似薬の保険外し 意見、真摯に受け止める  PDF

協会は10月3日、厚生労働省に(1)26年度診療報酬改定に対する要求(14項目)の実現(2)OTC類似薬の保険外し反対等(3)生活習慣病管理料の包括範囲の是正、発熱等の患者に対する報酬引き上げ(4)会員病院アンケート結果に基づく診療報酬改善と財政措置を求める緊急要請―を実施した。協会から内田亮彦理事長、福山正紀副理事長、吉河正人理事が参加。厚労省保険局医療課課長補佐・青木氏・稲田氏、同主査・菅原氏・牟田氏、同課員・村氏、医薬局医薬品審査管理課課長補佐・宮坂氏、医政局医療経営支援課医療法人支援室医業経営専門官・下田氏、医政局医薬産業振興・医療情報企画課医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長・藤井氏が対応した。今回の要請は白川よう子参議院議員(共産、厚生労働委員)に仲介いただいた。

患者の経済的負担
健康被害も懸念
 (1)について医療課は、引き続きまたは必要に応じて中医協で議論すると回答した(内容は『グリーンペーパー』No350に掲載)。協会は特に基本診療料の引き上げを強く訴えた。
 (2)について医療課は「(現時点で)保険外しを前提に議論しているわけではない。『骨太方針』において25年末までの予算編成過程で十分検討し、早期に実現可能なものは26年度から実行するが、必要な受診を確保し、子ども、慢性疾患を抱える方、低所得の方に配慮するとされている。医療の質、アクセスの確保、患者の利便性に配慮し、医療保険制度の持続可能性の確保を目指すことが基本。広範囲の関係者の意見を聞く必要があるため、協会アンケートで出された意見も真摯に受け止め、丁寧に議論を進めたい。3党協議をベースに政策立案すると決まっているわけではない。社会保険料の軽減を求める意見もあるが、大雑把に実施すると患者の経済的負担、健康被害も懸念される。国民の声に寄り添い、どう政策立案するか。医療費削減のために受診抑制を狙っているわけではない。いくら縮小できるのかという金額ありきではなく、丁寧な制度設計を考えたい」と回答した。協会は患者の経済的負担、健康被害を考慮する厚労省の姿勢を評価しつつ、OTC類似薬の保険外しは行わないよう防波堤になってほしいこと、府北部ではドラッグストアが少ない等の実情も考慮してほしい旨を訴えた。
 (3)については医療課は「8月28日の中医協の入院・外来医療等の調査・評価分科会で指摘内容が報告された。改定から1年経過し課題等浮かび上がっており、今後は中医協総会で議論したい」と回答した。協会からは生活習慣病3疾患を特定疾患療養管理料の対象に戻すこと、医療過疎地域では一人の医師が複数科を診療している実情を考慮し包括範囲を見直してほしいこと等を強調した。
厳しい病院経営
補助金も検討
 (4)について医療課は「物価高騰、賃上げ対応等により病院経営は厳しい状況に直面していると理解しており、それによって医療サービスが停滞してはならないと考えている。中医協に今年度2回、病院経営に関する資料を提出している。今後も24年度決算等の状況を見て、病院経営の状況を明らかにし、中医協で議論していく必要がある」と述べた。
 医政局医療経営支援課は「(協会の会員病院アンケート結果※による)診療報酬と補助金を組み合わせて支援するのが適切という声を受け止めたい。昨年末の補正予算で1300億円程度の緊急支援パッケージを打ち出したが、現場としては不十分という意見だと理解した。物価高、賃上げに必要な対応を検討したい」と回答した。
 ※本紙2面参照

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