診療報酬改定、OTC類似薬問題で立憲民主党と懇談  維新、自民との懇談は前号で既報  PDF

OTC類似薬の保険外し、甚大な悪影響が出る 立憲 山井議員

 協会は9月21日、立憲民主党京都府総支部連合会と懇談した。26年度診療報酬本体大幅引き上げやOTC類似薬の保険外し反対などへの協力を要請した。山井和則衆議院議員、田中美貴子府議会議員(府連幹事長)、和島一行向日市議会議員(同副幹事長)、服部正宇治市議会議員、福井平和木津川市議会議員、下村牧子城陽市議会議員(以上同常任幹事)が出席。協会の内田亮彦理事長、福山正紀副理事長が要請した。

 要請に対し「かかりつけの医師から経営が厳しいとの声を聞いた。国は診療を抑制し、医療費を下げる方向に舵を切ろうとしているのかと懸念している」(田中議員)、「医療機関での看護師の採用・確保が困難で、経営を圧迫しているなら改善が必要と思う」(服部議員)、「地元公立病院の経営も厳しいと聞いている。物価高騰も影響しているようだ」(福井議員)との意見が出された。
 看護師として病院勤務経験のある下村議員からは「基本診療料を上げる必要があるのはその通り。コロナ流行時、地域から病院・診療所がなくなったらどうなるのか分かったはずだが、数年を経ても現場の状況は変わらない。経営はどんどん悪くなり、スタッフの確保が困難で、辞めていく人も多い。医療スタッフがいるから安心して暮らせるはずだが、一番大事な命を見失いそうになっている。日本の医療はどうなっていくのかと考えている」と述べた。
 これらの意見に対して、福山副理事長は「社会保障の根本的な部分は健康保険だ。医療機関が下支えとなって、国民の健康を維持することが原点と考えている。今後の議員活動の中でぜひ協力してほしい」と要請した。
 山井議員は「OTC類似薬は一つも保険から外してはだめとは思わないが、ほとんどの薬剤は甚大な悪影響が出てくるのではないか。社会保険料を下げるべきという圧力もあるが、(医療機関の経営悪化に対しては)年内に補正予算を編成し、補助金をワンショット出しておいて、次回診療報酬改定で引き上げることだろう。難しいのは厚生労働分野の国会議員が与野党と協力して診療報酬を上げるよう強く主張すればする程、引き換えとしてOTC類似薬の保険外しや高額療養費制度の見直しが主張される可能性だ。そうではなく、そもそもトータルで底上げすべきと私は思う」と述べた。
 福山哲郎参議院議員と泉健太衆議院議員にも要請署名と資料を渡してもらうよう府連事務局に託した。

生活保護基準引き下げは違法
一刻も早い是正求め協会も署名

 2013年から15年にかけての生活保護基準の大幅な引き下げは違憲・違法と訴えた「いのちのとりで裁判」について、最高裁判所は6月27日、「違法」との判断を示し、処分の取り消しを認める画期的な判決を言い渡した。
 最高裁判決は、2013年の基準引き下げが従来の消費水準を指標とせず、専門部会にも諮らないまま物価変動を直接の指標として改定したのは、専門的知見との整合性を欠くなどと指摘し、生活保護法に違反すると断じた。
 6月27日以降、原告団・弁護団と全国の裁判支援のネットワークである「いのちのとりで裁判全国アクション」は厚生労働省への要請を続け、長年の違法行為が最高裁によって断罪された以上、まずは厚生労働大臣が原告との面談の場に出て謝罪し、速やかに全面解決に向け協議するよう求めている。しかし、国はいまだ謝罪すら行っていない。
 「いのちのとりで裁判全国アクション」は「生活保護基準引き下げは違法!厚生労働大臣は最高裁判決を受け入れて謝罪し、一刻も早く違法状態を是正してください」署名の取り組みを行っており、協会も賛同し団体署名を提出した。

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