OTC類似薬、一律除外は考えていない 維新 前原議員
世界に誇る日本の医療を守る 自民 本田議員
協会は9月、京都選出の日本維新の会、自由民主党、立憲民主党の国会議員と懇談した。26年度診療報酬本体大幅引き上げやOTC類似薬の保険外し反対などへの協力を要請した。立憲との懇談の模様は次号掲載予定。
■ 維 新 ■
9月8日、日本維新の会の前原誠司衆議院議員と懇談。内田亮彦理事長、福山正紀副理事長が要請した。
冒頭、前原議員は「病院関係者から経営が大変だ、急激に悪くなっているとは聞いている」と述べた。
OTC類似薬の保険外しについて前原議員は「一律に除外するのではなく、一つひとつ薬剤を確認していこうと自公維で話している。慢性疾患など、除外すると問題がある薬剤があることも理解している。基本的には薬局で買える解熱剤、風邪薬、胃腸薬などを中心に考えている。一方、湿布薬の保険外しは高齢の方からの批判もある」と述べた。協会は除外検討対象薬剤は広く処方され患者負担と手続きの煩雑さが増加し、患者、医療機関とも痛手となるため、一剤も外すことのないよう訴えた。前原議員は「意見はしっかり承った。医療を狙い撃ちする気はない。しかし、社会保険料は法改正の必要がないため、どんどん上がっている。年収350万円の方の社会保険料負担は50万円。雇用者負担と合わせ100万円の負担である。見直せるものは見直したい。ステークホルダーの先生方の意見も聞いていく。患者としては病気やけがをすれば、先生方に頼ることになり、リスペクトの対象である。逆に削れる部分の意見も聞きたい。意見のキャッチボールを経て、やれるものはやりたいという観点だ。意見は真摯に受け止めたい」と述べた。
また、協会から「受診抑制を狙っているのではないか」との懸念を示したが、前原議員は「それはない」と明言した。
協会は生活習慣病三疾患が特定疾患療養管理料から除外され、生活習慣病管理料の対象となり、診療所は経営に影響を受けていること、包括される医学管理が多いことでプライマリケアの提供に支障が生じていることを強く訴えた。これに対して前原議員は「新しい気付きをいただいた」と述べた。
■ 自 民 ■
9月19日、自由民主党の本田太郎衆議院議員と初めて懇談。木村吉成理事が要請した。
協会は生活習慣病管理料(U)の包括範囲の見直しを強調。また、患者は診察を受けて、かかりつけの医師からの処方を求めており、診察の結果、薬局でOTC薬を買ってくれと言うのは困難と指摘。OTC類似薬の保険外しが実施されると、保険処方を希望する患者に対応するため、長年使用され信頼できる安価な薬剤ではなく、オーバースペックで高価な薬剤が処方され、逆に医療費が上がる可能性を示唆した。コスメティックな要素がない一般診療に混合診療が広がり、医療が崩壊する危険性もある。「誰もがどこでもいつでも安心・安全の医療を受けられる医療提供体制」を確保するために、抑制された診療報酬・薬価基準であっても真摯に対応してきた医療機関、製薬会社のポリシーにより守られてきたのが現状である。「財務的な観点のみで必要な薬が必要な患者に行き渡らない改定を行わないでほしい」と訴えた。
本田議員は党・厚労部会の副部会長を担当した経緯を踏まえ「仰ることは理解できる。医療費は下げれば良いというわけではなく、フリーアクセスという世界に誇る日本の医療制度の素晴らしいところを守ることは大前提。高齢化社会が伸展する中で、医療費の伸びをいかに抑えるか。その観点から政策・施策が打ち出されている。国会議員や財務当局は厚労だけでなく、防衛、インフラなど、全体のバランスを取りやりくりする必要があり、そこが苦労する。医療費の急激な上昇の抑制は必要だが、フリーアクセスを損なうのは間違っている。再度議論する場はあると思うので、党内で検討したい。親族に医師がおり、特に病院経営が厳しいと自分事のように聞いている。どの産業もさまざまな問題を抱え、どう折り合いをつけるか考えることになるが、医療は命を守るもので、公に守っていくべきという想いを持っている。意見はしっかり受け止めたい」と述べた。
勝目康衆議院議員については9月18日、秘書の方と面談し、趣旨を説明し署名、資料を手渡した。







