チーム医療は互いの価値の理解から 医院で2回目の接遇研修  PDF

医療法人ふくおかクリニック(右京)は6月7日に個別接遇研修を開催。3回連続の研修を計画、今回は第2回の開催となった。協会は講師に開APAN・SIQ協会の米谷徳恵氏を派遣した。当日は事務長とスタッフ15人が参加した。

講師の米谷氏

 米谷氏はまず、客観的に自分を見て、無意識で行っている言動に気付き、常に意識して行うこと、そのためにどこを意識すれば良いかを学ぶのが研修の目的であるとあらためて説明。前回の振り返りとして、患者の期待する「医療サービス」にはどのような種類があるか、接客と接遇の違いなどについて再確認した。
 続いて、今回の本題の「医療領域におけるチームワークの重要性」について解説。15人を3チームに分け、各チームでリーダーを決めた。米谷氏は、リーダーはチームを引っ張る役割と思われがちだが、それはマネージャーの仕事であり、「この人に付いて行きたい」と思わせるのがリーダーであると述べ、リーダーになった人には「話を進め、まとめる」「指名し、意見をもらう」「全員の意見を聞き、最後に自分の意見を述べる」ことを考えてほしいとした。
 次に、「家庭」「富」「健康」「仕事」など10個の価値について、チームごとに1位から10位までの順位を付ける課題が出された。米谷氏は「ハラスメントを起こさないためには、相手の価値観を知る必要がある」「多数決ではなく、お互いの思いを聞いて、意見を出し合い、全員が納得して意見を一致させること、個人攻撃にならないよう相手の意見を汲み取っていくことが重要」と解説。各チームは「富」とは何を指すのかなど、それぞれの価値の意味を考えたり、同じ職場で働いていても個人ごとに大きく価値の順位が異なることに驚いたりしながら、リーダーを中心に議論を深めた。
 課題終了後、参加者からは「独身、子どもが小さい、大きくなったら…など、ライフステージによっても考え方が違った」「チーム内の意見を聞いて、自分の順位も見直した」「はっきり言う人、オブラートに包む人、言語化があまり得意でない人などの傾向が見られた」など感想が出された。
 最後に、自己認識・他者認識の分析として、50項目のエゴグラムチェックを行った。米谷氏は、自分の性格を五つの自我状態に分類して目で見える形にすることで、客観的に自分を見るとともに、異なる性格の人と協調する時に五つの自我状態のどこを抑える・強調すると良いかを理解できると説明。相手がどのように言葉を受け止めがちなのかを考え、相手の受け取りやすいように意思疎通を図るとコミュニケーションが潤滑になると述べた。

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