医業経営危機の打開を会費引き上げも承認 第78回定期総会で方針  PDF

協会は第78回定期総会(第209回定時代議員会合併)を7月27日にホテルグランヴィア京都で開催(ウェブ併用)。96人(代議員66人、一般会員10人、役員20人)が出席し、飯田泰啓議長と戎井浩二副議長が議事を進行した。2024年度活動報告と25年度活動方針・予算案、決議案を提案し、全て賛成多数で承認、採択された。総会後はシンポジウム「生き残れる組織とは―今後の保険医協会を考える」を開催し、78人が参加した(シンポジウムの詳報は後日掲載)。(関連2・3面)

 開会にあたり、6月に就任した内田亮彦理事長より「山積している政策課題については会員からの意見を聞き、保険医協会ならと賛同してもらえるよう活動していきたい」とあいさつした。
 茨木和博副理事長が24年度の活動を総括した。マイナ保険証問題の取り組みとして市民フォーラムを開催し、紙の保険証の存続を強く求めたと報告した。高額療養費の負担限度額引き上げ問題を巡っては中止を求める要請書を首相らに送付。世論の高まりを受け凍結につながったとした。
 続いて、辻俊明理事から情勢を報告。参議院選挙で自民・公明政権が大きく議席を減らした一方で、新興の政党が躍進するなど、政治情勢はこれまで以上に混沌としていると指摘。参院選で争点となった社会保険料の引き下げは社会保障費削減に利用され、反転攻勢が必要と述べた。OTC類似薬の保険外しは貧富の格差が医療内容の格差に持ち込まれ決して認めてはならないと問題視。医療DXやオンライン診療受診施設を通じた医療の市場化・産業化の動きにも注視したいとした。
 情勢報告を受けて、内田理事長が25年度活動方針を提案。病床数適正化支援事業への想定を上回る申請は多くの病院が経営困難に陥っていることの現れと指摘。医業経営の救済なくしては地域医療は崩壊するとして、国には社会保障削減ではなく必要な財源確保を求めたいとした。協会財政については物価高や事務所賃料の値上げの中でも会員サービスの一層の充実・向上と活動強化のために8月からの会費引き上げを提案し、理解を求めた。

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