協会は5月21日、府内全市町村に「国保被保険者に資格確認書の一律交付を求める要請書」を送付した。
厚生労働省は、75歳以上の後期高齢者にはマイナ保険証保有の有無にかかわらず、2026年7月まで資格確認書を一律交付することを決めている。後期高齢者の保険証は毎年7月一斉に期限を迎えるために、資格確認書の交付を求める申請が自治体窓口に集中する恐れがあることから、交付対象を拡大して期間も延長したとされる。同様に混乱が予想される国民健康保険証についてはそのような扱いがされていない。
東京都渋谷区と世田谷区が相次いで国保被保険者への資格確認書の一律送付を決めたことから、協会は府内市町村にそれを知らせ、自治体として判断を求める要請を行った。
医療機関では保険証の新規発行を停止した24年12月2日以降もマイナ保険証によるトラブルが続いている。混乱を避けるには、マイナ保険証だけでなく従来の保険証もしくは資格確認書を所持することが最も簡易で確実な方法であり、市民が円滑に受診できるよう求めた。同様の要請は24年12月にも行っている。
マイナトラブル調査第5弾
12月2日以降も依然収まらず
全国保険医団体連合会が5月8日に公表した「2024年12月2日以降のマイナ保険証利用に係る実態調査」によると、回答した9741医療機関のうち9割が何らかのトラブルを経験した。調査は今回で5回目で、2月から3月にかけて実施された。
具体的なトラブル内容では患者情報が「●」で表示されたケースが65%で最多。有効期限切れは31%で、前回(24年8月)調査の14%から大幅に増加しており、さらなる増加の懸念を指摘した。
京都でも6割が負担感じる
京都の医療機関(歯科除く)からは120の回答があり、全国傾向とほぼ同じく9割がトラブルを経験。具体的には、①「●」で表示66%②カードリーダーのエラー45%③資格情報が無効32%④マイナ保険証の有効期限切れ27%⑤名前や住所の不一致27%―の順 。
トラブル対応の方法で最も多いのは依然「健康保険証で確認」65%であった。
12月2日以降でも「とても負担」「負担」合わせて63%が業務に負担が生じたと感じており、逆に「減った」は4%であった。マイナ保険証のメリットを「感じる」は33%で、「感じない」は22%、「どちらともいえない」が43%であった。
従来の健康保険証について、62%が「復活を望む」とし、「望まない」8%を大きく上回った。