医会寸評  PDF

北陸新幹線の敦賀から先について、与党で小浜・京都ルート案に決めたが、トンネル残土のことや京都盆地の地下深くをトンネルで通ることにより地下水に問題を来すのではないかという危惧などがあり、府内のあちこちから反対の声が上がっている。リニア新幹線の工事でも、水源が涸れる事故が起こっているため、いくら大丈夫と言われても信じられない。「京都が京都でなくなる」と、とうとう京都仏教会が反対の署名を始めるに至った▼地下深くに駅ができたら乗り換えが大変で利用しづらいように思われるがいかがであろう。九州新幹線の時のように同一ホームでの乗り換えなら楽だが、今の敦賀の乗り換えでも大変そうなのに、それどころではない移動を強いられる▼米原ルート案がまた取り沙汰され、石川県の考えにも変化が起こっている。こちらは費用も工期も少なくて済むはずだが、東海道新幹線を持っているJR東海に、ダイヤなど仕切られることになり、JR西日本としては受け入れがたいのであろう。分割民営化の良くない面が現れているように思われる▼全国新幹線網を決めた時から状況が変わっている。人口は毎年毎年減少し、東京一極集中は止まらない。新幹線も高速道路も空港も、ほしいほしいにそうですかと造る時代ではもうないように思われるがいかがであろう。(門雀庵)

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