――経常利益率の外れ値はどのように扱ったか。
外れ値の基準は設けていない。記載誤りや診療実態がないと思われる医療法人は除外した。
――調査対象外となった都道府県名とその理由は。
財務局の窓口に行かないと確認できない、あるいは窓口に行っても複写できない場合などデータ入手が困難な自治体を除外した。除外した都道府県名の公表は差し控えたい。
――機動的調査が個人立の診療所を網羅していない点はどう考えるか。
個人立の診療所を含めて全体の医療機関の実態を把握することは重要と考える。
――医業収入には診療報酬の他、自由診療や介護報酬などの収入も含まれている。経常利益率は診療報酬のみが関係している数値ではない。診療報酬引き下げの根拠とするのは無理がないか。
診療報酬以外の収入があることは承知している。事業報告書という形式の制約上、収入の種類を分けた調査は難しい。
――複数の診療所や診療所以外の施設を経営している法人の事業報告書はそれらを一つの法人として記載されており、なべて「診療所」として捉えるのは無理がないか。
事業報告書が施設ごとのデータとなっていないために、細分化した調査ができなかった。
――機動的調査の調査年である20年度から22年度はコロナ禍で平時とは異なる点はどう考えるか。
法令上、直近3年分の事業報告書しか入手できないためで、コロナ禍のデータを意図的に用いたのではない。平時よりも病床確保の補助金などで収入増であったと同時に費用も要している中での利益率と理解している。
――診療所の経常利益率とあわせて“院長給与3000万円”の打ち出しが注目された。院長給与は事業報告書には記載されない。院長給与の適正額はどの程度を想定しているか。
院長給与3000万円は医療経済実態調査で推定された数字だ。財政審の資料で診療所の費用構造を示すために引用したが、3000万円が好ましくないという意図ではない。院長給与は地域の特性や経営者の裁量など、さまざまな事情によると承知しており、適正額は設けていない。
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