京都府の2025年度の「国保事業費納付金の算定結果」が1月30日開催の第2回京都府国民健康保険運営協議会」で示された。納付金は都道府県化以降、国保財政を預かる京都府が保険給付にかかる費用に充てるため各市町村から徴収する。市町村はそれを支払えるよう各年度の保険料率を決定する。すなわち納付金の上昇は保険料の引き上げに直結する。だが市町村は時々の状況を勘案し「財政安定化基金」の取り崩しや一般会計から国保特別会計への繰り入れを増やす等の自助努力によって、引き上げ率の縮減や引き上げの回避を判断する場合がある。
25年度の納付金は府全体で713億円で、24年度に比べ29億円(4・23%)増。一人当たりでは平均162・960円(7・5%)の大幅増である。保険給付費等は減少しているが人口構成変化や被用者保険の適用拡大等による被保険者数の減少、「前期高齢者交付金」減少等の影響から全体の伸び以上に一人当たりの伸びが著しい。各市町村の国保財政も危機に瀕しており、京都市では納付金の伸びを超える前年度比10・35%の引き上げが検討される。こうした改定に踏み出す市町村が複数出現する恐れがある。
被保険者数減少は人口減のみならず国によって政策的に推進されており、今後も都道府県・市町村の国保財政の脆弱化は進むことが予想される。このままでは保険料は未来永劫、引き上げられ続けることになる。国保は今、崩壊不可避と呼ぶべき状況であり、地方自治体単位での国保運営は不可能なレベルに達している。
国の責任において国保を「全ての人に必要な医療を必要なだけ確実に保障する」仕組みへと抜本改善することを、医療界・自治体・住民が共同して求めねばならない。
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