乙訓医師会と懇談  12月16日 ウェブ会議  PDF

生活習慣病管理料(U)算定で減収に
地区医師会からも声を上げたい

 協会は乙訓医師会との懇談会を24年12月16日にウェブで開催した。地区からは12人、協会から5人が出席。乙訓医師会の胡興柏理事の司会で進められた。冒頭、乙訓医師会の鈴木博雄会長から「現在、新型コロナウイルス・インフルエンザ・マイコプラズマのトリプル感染の影響もあり、厳しい冬を迎えている。今年6月には診療報酬改定が行われたが、各医療機関は生活習慣病管理料やベースアップ評価料などの詳細な情報が得られない中で対応を求められ、来年にはかかりつけ医機能報告制度が施行されるなど最近は政府から決定事項のみを伝えられる状況で、中医協の形骸化が懸念される」とあいさつがあった。鈴木卓理事長のあいさつの後、社会保障制度の行方と医療提供体制改革を話題提供し、意見交換した。
 地区から「かかりつけ医機能報告制度」の動向などについて質問が出された。協会からは、「1号機能」に示されている内容から、一人の患者が複数の診療科の医師をかかりつけ医とすると解釈できるが、一方で財務省はかかりつけ医は一人とし、専門外の疾患は紹介状で対応するよう求める等、見解の相違がある現状を報告した。その上で協会としては、日本の医療提供体制ではかかりつけ医を一人に絞るのは難しく、地域医療を支えていく視点に立ち、実情に合った形式にするのが望ましいとの見解を述べた。また、「2号機能」に示されている内容についても、患者は診療時間外の対応、入退院における病院との連携等、患者自身がかかりつけ医に関する情報を確認・選択しなければならず非常に複雑な構造になっていると指摘。さらに、国は患者がかかりつけ医以外を受診した場合には特別料金を徴収し、かかりつけ医への受診を誘導しようと考えているようだが、事実であれば阻止しなければいけないと述べた。
 また地区から、今次診療報酬改定に関して、生活習慣病管理料(U)を算定するようになり減収に陥ったところもあるとして、協会の診療報酬改定後に行ったアンケートの結果報告が求められた。協会からはアンケート(24年7月28日定期総会で実施)で、75%の医療機関が改定前と比べて減収となり、また75%の医療機関が事務的作業が増加と回答したと説明。医療DXの影響で廃院する医療機関も増加傾向にある現状を鑑み、診療報酬改定や医療DX問題については、国に要望書などを提出し課題改善に向けて取り組んでいると報告した。
 その他にも、「防衛費と社会保障費の関係性」、「中高校生の受診診療科問題」「マイナンバー制度」「分娩費の保険適用」など多岐にわたって意見交換した。
 最後に乙訓医師会の堀直樹副会長が「さまざまな課題について情報提供いただき非常に参考となった。現状把握できた部分やまた不安を感じる部分もあったが、本日出された意見を参考に地区医師会からも声を上げていかなければいけないと感じた」と締めくくった。

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