協会は1月30日、第208回定時代議員会を開催した。会場の京都経済センターとウェブでつなぎ、代議員68人(ウェブ61人、会場7人)、役員20人が出席。飯田泰啓議長が進行した。24年度上半期活動報告と下半期重点方針、決議を提案し、全て賛成多数で承認・採択された。(関連2面)
開会にあたり、鈴木卓理事長より「昨年の能登半島地震には現地支援・視察、募金の呼びかけに取り組んだ。能登の基幹病院は診療を再開したが十分な診療ができておらず、大幅な赤字経営で窮乏している。国の支援が至っていないことに憤りを感じる。この間のコロナ対応やマイナ保険証なども、最前線の医療機関の現状をつかまず、国は上から目線の政策に終始している。協会に意見を寄せていただき、下半期の活動に活かしたい」とあいさつした。
茨木和博副理事長が24年度上半期の活動を総括した。マイナ保険証問題の取り組みとして、歯科保険医協会と弁護士とともに実施した街頭宣伝、歯科保険医協会と京都弁護士会とで共催した市民フォーラムを紹介。体験記『コロナ禍の医師たち』をもとに市民シンポジウムを開催し、コロナの総括を行ったことを報告した。24年度診療報酬改定の影響調査ではベースアップ評価料の届出の煩雑さへの疑問の声や約8割が前年度比で減収となった結果を受け、再改定と不合理是正を厚労省等へ要望したと報告した。
渡邉賢治副理事長から情勢を報告。少数与党となった石破内閣だが、これまでの社会保障制度改革を変える見込みはないとし、医療の現場を知らない財務省主導の医療・社会保障の構造改革の流れに警鐘を鳴らした。国は医師偏在是正に向けて、外来医師多数区域での新規開業希望者へ地域で必要な医療機能を要請したり、保険医療機関の管理者要件に医師少数区域等での一定の勤務経験を課すなどの規制的手法で進めようとするが、根本的な原因を指摘し対抗することが必要と述べた。厚労省には国民の生命と生活を守れるかが示せるか問われているとした。
鈴木理事長が下半期活動方針を提案。診療所・病院も過去最多の倒産数になる等、厳しい医業経営が続く中、ベースアップ評価料を算定しても賃上げの原資は微々たるもので人材不足の歯止めになっていないと批判した。今次診療報酬改定の引き下げ根拠となった財務省の機動的調査と同じデータを使って医療法人の経営実態を分析し問題提起したいと述べた。医薬品不足の問題、健康保険証廃止をめぐる医療DXの課題にも引き続き取り組みたいとした。かかりつけ医機能報告制度、新しい地域医療構想、医師偏在対策に関連する一括法案の動きを問題視し、財源論の提案も含めて対抗策を国に示したいとした。協会活動の礎となる財政はメリハリのある運営を進め、39年間引き上げせずに維持してきた会費引き上げに理解を求めた。最後に、会員の声を基に取り組んでいる協会活動の情報発信に課題があるとして、SNS等を積極的に活用し世論を巻き込んだ活動を進めたいと述べた。