電子処方箋点検のシステム障害で混乱 前日の通知で準備期間なし厚労大臣等へ緊急要望  PDF

協会は1月15日、「電子処方箋、医療DX推進体制整備加算に関する緊急改善要望書」を厚生労働大臣はじめ関係部局等に提出した。要望項目は次の2点。
 1.電子処方箋管理サービスへの接続が遮断される等の重大な電子処方箋システムの点検、メンテナンス等にあたっては、通知・連絡から実施まで少なくとも2週間以上の準備期間を確保するとともに、医療機関、ベンダーへ周知徹底を図ること。
 2.24年12月段階の導入率が病院3.0%、医科診療所7.6%、歯科診療所1.0%と低迷している状況を踏まえ、A000初診料の加算である医療DX推進体制整備加算の施設基準告示(4)、通知1の(4)に定められた電子処方箋発行体制に関する経過措置を26年5月31日まで延期すること。
 24年12月20日から27日まで、国は電子処方箋システムの一斉点検を実施。通知されたのは前日で各医療機関は準備する時間が与えられなかった。全ての医療機関で電子処方箋管理サービスへの接続が遮断され、その結果、電子処方箋の発行・変更・取消ができなくなる紙の処方箋(引換番号あり)の発行ができなくなる(引換番号がつかない通常の紙処方箋は発行可能)重複投薬等チェックができなくなる薬剤情報閲覧ができなくなる(処方・調剤情報の閲覧要求を同時に行った場合)―等の障害が生じたことを受けての緊急要望である。
 また、国は電子処方箋の普及を急ぎ、医療DX推進体制整備加算の施設基準にその体制整備を定め、3月31日までを経過措置期間としているが、現場の対応は進んでいない。そのような中で起こったトラブルであり、国に対しては実情を理解した運営を強く求めたい。

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