山下 元(乙訓)
輪行: サイクリング 公共交通機関を使ってサイクリングを始める所まで自転車を持って移動する事(広辞苑第七版)
大阪府を輪行散歩
私は京都の会員ですが、住居は大阪府高槻市にあります。スケッチは自宅近くを描いたもので、この堤防を越えるとヨシ原です。その中を舗装された管理道が抜けていて、大阪湾の近くまで続いています。年中、人影まばら。
本日はこの道を通って、大阪市のドマンナカへの直通輪行を提案します。京都の方々は嵐山木津自転車道に乗り入れて下さい。桂、宇治、木津の三つの川が出合って淀川になりますが、合流地点の八幡市「さくらであい館」自転車休憩所(展望塔付き)から淀川を下ります。
淀川の舗装自転道は両岸にあります。左岸の枚方側は雑木林を、右岸の高槻側は広大なヨシ原を抜けます。途中で運動公園を通るので、移動公衆便所はありますが売店はゼロ。枚方大橋、鳥飼大橋、豊里大橋等の大橋の下を直進します(右岸走と左岸走の乗り移りも可)。
大阪都島まで来ると、蕪村句碑(春風や/堤防長うして/家遠し)があります。ここで旧淀川である大川(天神祭の船渡御の川)にハンドルを切ると、1里余りある桜並木の自転車道に変わります。川面が光り、観光船の音が響き、対岸には帝国ホテルや造幣局のビルが立ち並び、都市美が満載です。
天満橋辺で自転車道は終点となり、川沿いの道から離れ、市街に出ました。おびただしい人や車。生き馬の目を抜く大阪市中央区です。思えば、京都から自転車でやって来たのです。交通信号の制約もなしに。
たちまち都会の自転車人に変身して大阪の散歩を始めます。土佐堀通から御堂筋へ。淀屋橋を渡り、大江橋(スケッチ)を渡ります。昔の浪速の建築は贅沢。大きなライオンの石像さえあります。
買い物はしません。あとで肩に担がないといけないからです。
灯ともし頃の大阪も良いが、少し疲れた、サイクリングにも飽きたと思った時、そうです。これぞ輪行でして、阪急、JR、京阪の電車が、機嫌よく京都への帰りを待ってくれています。
帰宅ラッシュの混雑を心配されるかもしれませんが、大阪の夕方の電車は、自転車同伴でも何とか乗れます。1時間以内に京都に帰り着くはずです。
題の絵・挿絵も筆者
高槻市鵜殿の高い堤防。向こうは淀川
御堂筋の大江橋。上の方には阪神高速道の高架