伏見医師会と懇談11月29日 伏見医師会館  PDF

迅速的確な医療にはフリーアクセス
維持したかかりつけ医制度を

 伏見医師会との懇談会を11月29日に伏見医師会館で開催、地区から8人、協会から6人が出席した。伏見医師会の西村俊一郎副会長の司会で開会。西村康孝会長は開会あいさつで、保険医協会の日頃の情報提供、診療報酬改定時の書籍発行等に謝意が述べられ、懇談会を通じて両会の円満な関係継続を祈念された。
 意見交換の中で、診療報酬改定では各医療機関が大きな影響を受けているが、介護分野でも介護報酬の引き下げにより事業者の倒産が相次ぎ、従事者も不足する中で、制度の存続自体を危惧しているとの認識を共有した。また高齢者の医療・介護需要増加に伴う歳出増は避けがたいが、財源捻出のために高齢者も含め広く患者負担を求めるしかないとの意見には、高齢者に限らず全世代の収入・資産を把握する制度(マイナンバーを納税者番号に特化)を設け、年齢に関係なく高額所得者には応能負担を求め、社会保障費の増額を原則にすべきと応じた。
 かかりつけ医機能報告制度(25年開始)の目的、現在の開業医が果たしている役割との違い(いま開業医がしていることとの相違)を問う声が出席者より上がった。
 協会からは「各医療機関より対応可能な症状(40疾患)や機能(時間外対応や在宅医療等)を報告したものが公表され、患者がその情報を基にかかりつけ医を選び医療機関と契約する。17診療科が対象で、耳鼻咽喉科や眼科の医師もかかりつけ医になれるはずだが、政府や財務省は“かかりつけ医は一人”として矛盾を孕んだまま制度が進んでいる。専門外の診察を要する場合は適切な医療機関を紹介すれば良い」と指摘した。
 この発言を受けて出席者からは「患者への適切な医療機関の受診勧奨は今でも行っている。他国のように最初の受診医療機関が定められた方式はコロナ禍で破綻している。特殊な状況の時にはフリーアクセスがなければ、迅速に的確な医療を受けることができない。フリーアクセスが阻害される制度になるのであれば、徹底的に反対していかなければならない」との発言があった。
 他にも、高齢者救急を受け入れる病院の機能や医師偏在問題、開業規制の今後の方向性などで意見交換した。
 最後に松山南律副会長から、「残念ながら昨日(11月28日)、オンライン資格確認システム導入義務化の反対訴訟は敗訴したが、今後も反対し続けることが重要と考える。今後とも貴重な情報提供をお願いしたい」とあいさつがあった。

出席者14人で開催された伏見医師会との懇談

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