輪行:@サイクリングA公共交通機関を使ってサイクリングを始める所まで自転車を持って移動する事(広辞苑第七版)
輪行散歩の実際
自転車を電車に乗せる。便利だろうけれども
「考えるだけでも、面倒」
そうでもありません。その手間を言います。
まず軽さです。
自転車は生物のように、いろいろな方向に進化を遂げています。荷物用自転車、家庭用のママチャリ、子ども用自転車、折りたたみ自転車、軽快車等々。
輪行には「軽い。速い」方向に進化した軽快車(ロードバイク、シティバイク、クロスバイク…)を使います。輪が細くて大きい。重量も漕ぎも軽い。
ちなみに私が使っている自転車は、前2段、後9段切り替えのロードバイク。重さは約10sです。購入当時17万円でした。袋に収納すると、発車間際の電車に向かって担いだまま走ることもできます(もっと軽いカーボン車がうらやましい)。
次に簡単さです。
軽快車は前輪と後輪を簡単に(工具なしでガタリと)外せます。本体のフレームと車輪を重ねて専用袋に収め、肩紐を着けると鉄道荷物が完成です。
自転車をばらして袋に収める作業に、私は10分ほどかかります(電車の発車が迫っている時などは「待ってくれー」と叫びたくなります)。電車から降りて、自転車を組み立てるのにも10分余り。自転車を包んできた袋は小さく畳み、チューブの水筒ケージに固定します。面倒はこれだけです。
自転車と袋さえあれば出発できますが、実際の輪行に必要なものが少しだけあります。
ヘルメット。以前に物集女街道で転倒した時、私の耳元で「ガン」と大きな音を立てて身代わりになってくれたのはヘルメットでした。
サングラス、手袋、ライト、レンチ、自転車の鍵は必須です。
その他に地図、日本手ぬぐい、薄い軍手を用意しますが、持ち物は全て自分の肩にかかってくるので最小限にします。人里を走るので日常品は買い足しができます。登山と違って自動販売機やコンビニを当てにします。
私はフロントバッグにB6判スケッチブックも備えています。車の運転もそうですが、走り始めるとなかなか休息を取る気になれません。折々に自転車を停めて、わざとスケッチをします。無理矢理休み、疲れが出ないように心がけています。
題の絵・挿絵も筆者
遠くの町へ。紀勢線の一身田駅舎にて
広重東海道五拾三次白須賀の汐見坂にて