「勤務医に役立ち病院の経営に資する情報提供」と「保険医協会の事業の特長を知っていただく」ことを目的に、協会は6月26日、勤務医のための講習会をウェブ開催。4人が参加し、上田和茂理事が進行した。
「勤務医に役立つ保険医協会の共済制度」として曽我部俊介理事より「医師賠償責任保険」のサポート力、「斡旋融資制度」の低い利率と使いやすさを紹介後、「グループ保険」「保険医年金」の特長を詳説。保険医協会の入会と共済制度の利用を呼びかけた。また保険医協会は、医療機関・患者ともに安心・安全な医療体制となるよう国や京都府などに充実、改善の要請を続けていることや、現行の健康保険証を残す運動にも取り組んでいることを説明。勤務医師にも、国民皆保険制度を守り、地域医療を守る活動への協力をお願いした。
「勤務医が知っておくべき実践的な保険診療」として福山正紀副理事長は、保険診療を行う上で大前提となる「保険医療機関および保険医療養担当規則(療担規則=保険医療機関や保険医が保険診療を行う上で守らなければならない基本的なルール)」で特に「同一の投薬は、みだりに反復せず、症状経過に応じて投薬内容を変更する等の考慮が必要」。医師法では「病名を付けることができるのは医師だけ」であり、「診療をした時は、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない」と規定されていることに注意を促し、医療安全の観点からもカルテ記載の重要性を指摘した。
保険医協会に寄せられた病院の減点事例を基に誤りやすい検査の算定要件を解説。投薬時には添付文書(効能・効果)の熟読が「減点防止」につながること、病院から診療所へ紹介する際の情報提供や薬剤の継続処方時の留意点など、実際のレセプトを用いて具体的にアドバイスした。加えて、診療科別の手引やマニュアル(各学会発行)や検査書籍を紹介し、医局等での活用を呼びかけた。最後に24年度改定で病院が算定可能な点数を紹介した。