医会寸評  PDF

 新型コロナウイルス感染症が5類移行となって1年あまりが過ぎた。ちまたではマスクを着けない人が多くなっている。特に外国人観光客はほとんど着用していない。とはいえ、混雑する駅やデパートではまだまだマスク姿も多数目にするし、我々の職場である医療機関や高齢者施設においては、原則着用を継続しているところが大半ではないだろうか。当然、当院でもマスク着用をお願いし、忘れてきた方には実費で提供して協力してもらっている▼先日、地域の学校保健会理事会に出席して驚いた。22人のメンバーのうちで、マスク着用者はわずかに7人。学校医、学校歯科医、学校薬剤師各2人に市の事務局員1人のみ。校長、園長、養護教諭はじめ教育現場関係者は皆無。現実を突きつけられ、あたかも医療関係者は時代遅れと言われているような思いに襲われた▼マスクの感染防護効果が疑問視され、猛暑、酷暑の中で児童、生徒の熱中症リスクを考えれば一理あるのかもとは思う。しかし、教室には冷房がほぼ行き渡っているはずで、まだまだコロナのクラスターが頻発している状況においてはいかがなものかと考えさせられた▼年を追って固くなる頭ではあるが、自分が病原体をばら撒くリスクはある程度低減できると信じ、もうしばらく人混みでの着用は続けようと思う。(呑鉄童)

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