慢性疾患の初診料は3カ月以上の受診間隔と同一疾病・負傷でない説明が必要 眼科診療内容向上会  PDF

 協会は京都府眼科医会との共催で眼科診療内容向上会を4月13日、ホテル日航プリンセス京都で開催した。参加は71人。講師は京都府眼科医会・保険医療委員会の松本康宏氏が務めた。

レポート 辻 俊明(西陣)

 最初に協会の鈴木卓理事長からあいさつがあり、その中で、今年は2年に1回の診療報酬改定の年であり生活習慣病が特定疾患療養管理料の対象から外されたこと、ベースアップ評価料算定には多くの手間がかかり、かつ不明な点が多いこと、眼科手術において短期滞在手術等基本料1、3が減点されたことなどが述べられた。
 次に京都府眼科医会の松本康宏氏から診療報酬改定とレセプト作成時の注意事項について説明があった。以下はその内容である。
 基本診療料に変更があった。初診料288点が291点になり、再診料73点が75点になった。情報通信機器を用いた場合、初診料251点が253点、再診料73点が75点になった。
 届出不要の加算として医療情報取得加算がある。これは医療情報・システム基盤整備体制充実加算から名称変更したものである。オンライン資格確認を導入している保険医療機関において初診料、再診料に加算できる。院内での掲示が必要だが、施設基準の届出は不要である。
 施設基準の届出が必要な基本診療料の主な加算として、医療DX推進体制整備加算(初診料への加算)、時間外対応加算(再診料への加算)、短期滞在手術等基本料1(日帰りの場合)、短期滞在手術等基本料3(4泊5日までの場合)、外来・在宅ベースアップ評価料 がある。
 糖尿病・脂質異常症・高血圧が特定疾患療養管理料の対象疾患から除外された。したがって糖尿病網膜症では算定できない。
 レセプト作成時の注意事項として、慢性疾患では3カ月以上の受診間隔がなければ初診料は算定できない。3カ月以上の受診間隔があっても、同一の疾病または負傷でないと論理的に説明できなければならない。
 再診時の角膜曲率について、角膜曲率に変化が起こるような傷病や手術および眼鏡処方がなければ、再診時に角膜曲率の算定はできない。
 薬剤の適応外使用の場合には、なぜ必要であるのかの理由について説得力のある注記・詳記をしなければならない。薬の適応や用法・用量は今後一層厳密になるものと思われる。そのためには添付文書を確認することが重要である。

ページの先頭へ