乗り鉄ドクの趣楽悠遊 vol.22 村上 匡孝(綴喜)  PDF

TWO STARS ふたつ星4047
西九州の海をめぐる観光列車(JR九州)

 西九州新幹線の車名に昇格した「かもめ」がそれまで走っていた有明海沿いの長崎本線と大村線、絶景車窓の海路線が“ふたつ”。キハ40とキハ47、車両2両をリノベートしたので“4047”。内装や調度は「ななつ星」の魂が込められた“星”。青い海に映える白い浜を思わせるパールホワイトにチタン製のゴールドラインが輝く外観。水戸岡鋭治デザインの傑作です(写真1)。
 武雄温泉駅では、博多からの在来線特急と西九州新幹線が同じホームの両側で乗り換え連絡しています。ふたつ星午前便に乗って日本一の干満差を誇る有明海沿いを長崎まで走ります。肥前浜駅では、ホームにある日本酒バー「HAMA BAR」で、佐賀の地酒を、純米大吟醸、吟醸、純米の三銘柄、ぐい呑み一杯ずつ飲み比べできます。純米は鍋島と幸姫から、吟醸は光武と幸姫から、大吟醸は能古見と竹の園還ルからそれぞれ一つずつ三種を味わうのですが、全種類を利き酒したらよかったと悔やまれる美酒揃いでありました(写真2)。「佐賀海苔の試食体験」という車内イベントではクイズやうんちく話で盛り上がり、長崎までの美味賞賛のひとときを、海苔に合う相性抜群なアテと七田とともに過ごしました。
 午後便の出発までは本場のちゃんぽんのお昼とします。長崎から武雄温泉までの午後便は波穏やかな「琴の海」大村湾沿いを走ります。客席はアジアの異国客ばかりだったので、ラウンジカーで海を観ながら過ごしました。午後便の売りである長崎の洋菓子店「ママン・ガトー」の人気メニュー「熱々スフレ」がラウンジで焼き上がり、包まれる甘く芳しい薫りに涎よだれして目で楽しみつつ、長崎の地酒「六十餘洲」で寛ぎます。続いて海近のレトロ駅舎、千綿駅に停車(写真3)。ホームで販売していた栄喜屋のイイダコのピリ辛サラダと鶏のから揚げが絶品でした。美味しい麦焼酎「一心不乱」を手に一心不乱で楽しんだ一日でした(写真4)。
 今回の推し地酒、佐賀の七田(天山酒造)と長崎の六十餘洲(今里酒造)。
(ふたつ星4047 2023年7月乗)

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