協会は京都府に「第8次京都府保健医療計画等の施行にあたっての要望事項」(要旨別掲)を6月5日に提出し、担当課と懇談した。協会からは吉中理事と事務局2人が参加。京都府からは健康対策課、医療課、医療保険政策課、健康福祉総務課の4課の6人が対応した。
京都府は4月から6年間を計画期間とする「保健医療計画」や「感染症予防計画」「中期的な医療費の推移に関する見通し」「国民健康保険運営方針」を策定・施行している。国は地域医療構想や医師偏在指標を用いて「医療費の地域差縮減」を都道府県に実行させている。国がこうした政策を専ら医療費適正化(=抑制)を目標として推進していることに対し、京都府には府民の生命・健康を守る立場から医療政策を行うよう要望した。
「第8次京都府保健医療計画等の施行にあたっての要望事項」要旨
1.改正感染症法に基づく感染症予防計画に関する事項
いかなる事態にあっても確実に医療保障できる体制を目指し、コロナ禍での「留め置き」問題を検証・総括し公表すること 保健所等の機能強化を図ること コロナウイルス感染症発生状況の発表継続、死亡例を調査・把握し発表すること 医療措置協定に関する数値目標を一層拡大すること 第2種協定締結医療機関への一層の財政・物資等の支援拡充について国へ要請すること
2.医療計画、医師確保計画等に関する事項
財務省が主張する「地域別単価」や自由開業・自由標榜規制に反対すること 国が用いる医療需要推計は地域ごとの社会経済的状況や住民の生活実態を踏まえたものとは言えないため府独自の推計を実施すること 医師偏在指標の見直しを国に求めること 医師多数都道府県で医学部臨時定員枠を認めない議論に反対すること 医師の働き方改革に関し府内病院の状況を把握し国に提言すること 地域医療構想を国が求める地域医療改変の道具としないようにすること
3.社会保険制度、とりわけ国民健康保険制度に関する事項
府として国保を守る明確なビジョンを示すこと 国保への公費支援を増額し、国庫負担割合の引き上げを求めること 税機構による国保料徴収を中止し市町村の滞納相談機能を復活させること 健康保険証廃止に反対し、次善策として資格確認証交付は全被保険者に職権で行うよう市町村に要請すること 長期収載医薬品の選定療養化の中止を国に求めること、等
4.社会保障で幸せになれる国をめざすための事項
自助・共助・公助ではなく、社会保障本来の権利性と公的責任を明確化する「社会保障基本法」制定を国に求めること 財務省が求める「医療費総額管理」ではなく、「量出制入」の原則で政策を行うこと