ながら 長良川を辿りながら 楽しみながら 味わいながらのながら列車(長良川鉄道)
気動車ナガラ300系を“ななつ星”の水戸岡デザインで改造したロイヤルレッド色の車両は青空とのコントラストが映えます(写真1)。岐阜県の木材、郡上八幡の暖簾、一宮のファブリックなど地元の素材による内装は贅沢に創られた特別空間です(写真2)。森号(1号車)と鮎号(2号車)の2両編成の観光列車で、車内で郡上八幡のイタリアン「雀の庵」の料理を味わいながら、旧・国鉄越美南線の絶景車窓の長良川を下ります。川幅も狭く流れも波間も水面が陽光に輝く長良川には、鮎釣りや川遊びの人、カヌー、ラフティングが映えて美しい。城下町・郡上八幡から“日本の真ん中”美並、円空の出身地・大矢、和紙の美濃、刃物の関、日本最古の戸籍がある富加を経て、旧中山道太田宿の美濃太田までの鉄旅です。駅(写真3)も鉄橋も隧道も川の眺望も素晴らしいし、アテンダントも麗しい(写真4)。
「ながら」に乗る前日の美濃攻めはディープな鮎で。長良川上流の板取川で日本一にもなった鮎の食べまくり。25p級の大鮎2匹を特製のオーブンでセルフで焼いて食べます(写真5)。1匹は塩焼き、1匹は素焼きにして味噌をつけて食べる美濃流。さらに同クラスの鮎1匹が刺身、1匹がフライで出てきます。さらに、小ぶりの開き(一夜干し)が1匹と甘露煮が1匹と食べきれぬ計6匹。持ち帰った塩焼きは翌日はアミノ酸が増してさらに美味しいという鮎づくしなのでした。
コロナ明けで4年ぶりに“郡上おどり”が再開した郡上八幡の熱い夏。浴衣がけで出てみれば、踊りの輪がたちまち踊りの群に進展したのでした。集う人の皆が入る、混じる、参加する…観ていた人も入って踊って、一体化…。ユネスコ無形文化遺産の踊りは気さくで熱い祭りなのでした。
今回の推し地酒。元文・天然花酵母仕込み・さくら(布屋 原酒造場、郡上市白鳥町)。郡上白鳥の地酒は本醸造の常温で鮎と好相性。
(長良川鉄道 ながら 2023年7月乗)