左京医師会と懇談2月17日 ウェスティン都ホテル 働き方改革・救急医療体制に危機感 24年度新設の診療報酬で意見交換も  PDF

 協会は左京医師会との懇談会を2月17日にウェスティン都ホテルで開催。地区から23人、協会から6人が出席し、左京医師会の十倉孝臣副会長の司会で進行。同会の塩見聡史会長から「今年の診療報酬改定は実質マイナス改定であり、このような仕打ちに大変憤りを感じている」とあいさつがあった。社会保障制度の課題と24年度診療報酬改定で意見交換した。
 4月から勤務医を対象に適用された働き方改革では、派遣先も含めた時間外労働時間の上限規制や勤務間インターバルの確保などが義務付けられる。地区からは「他病院から派遣された医師が当直勤務をしている場合、夜間の救急患者の受入れができない病院が多数出てくるのではないか」「救急患者の受入れ数が、週によって前年を超えるとの報告もある。救急患者の受入れ困難が予想される」との意見が出された。協会は「救急医療体制が維持できない事態は大きな問題であるため、解決に向けて要求していきたい。根本的には医師数、特に病院勤務医数の不足が問題だが、国はこの問題には一切触れず、地域の医師偏在是正で解決しようとしている」と指摘した。
 24年度改定では院内感染防止対策に係る特例点数が廃止、外来感染対策向上加算に加算する発熱患者対応等加算が新設される。地区からは「特例の147点から、初診のみに算定できる発熱患者等対応加算20点に減点される信じ難い内容だ。国は医療機関に発熱外来をやめさせたいのか」と意見が出された。協会は「新設の発熱患者等対応加算は発熱外来ということではない。基本的に感染対策を念頭に置いた初診料の加算という考え方だ」と解説した。
 最後に、松下匡孝副会長から「医療DXを望んでいない患者から一部負担金を徴収することは間違っており、国がきちんと保障すべきだ。患者が受診しやすい安価で十分な医療ができにくくなっており、悲痛に感じる」とあいさつがあった。

ページの先頭へ