輪島市断水続く復旧程遠く 能登半島被災地支援に参加 早急な公的支援を  PDF

 保団連の能登半島地震被災地協会支援行動(3月5日〜6日)に協会から事務局2人が参加した。被災会員医療機関を訪問し、被害状況や要望を聴き取り、見舞金を届けた。希望者には水などの物資を提供した。
 3月5日に金沢市内の医療機関15軒を訪問。訪問先の医療機関や自宅に甚大な被害はなかったが、外壁のひび割れや医療機器の転倒による破損などの被害が報告された。「ガラス窓の修理などを業者に依頼しているが、奥能登の被災状況がひどく、業者はそちらを優先し業務を行っている。修理がいつ頃になるか不透明だがやむを得ない」との話が印象的であった。
 3月6日は輪島市の医療機関2軒を訪問。輪島市門前町の医療機関には、持参したポリタンクの水を渡し、院長から「断水が続いており、大変助かります」と感謝の言葉をいただいた。
 石川県保険医協会によると「奥能登には約100軒の医療機関があり、甚大な被害を受けている。珠洲市にある5軒の歯科医院は診療を再開できないなど深刻な状況だ。一番の問題は、上下水道が復旧できておらず、水の確保が急務」とのことだった。
 奥能登へ向かう基幹道路「のと里山海道」では、羽咋市を過ぎてから穴水町に向かうにつれ、道路の陥没や路面が波打つなど道路状況が激変。片側通行で何とか通行でき、約2時間半かけ輪島市に入った。輪島市中心街は木造住宅の倒壊や破損が著しく、地震が発生した当時のままであった。
 地震発生から3カ月が経過しているが復興とは程遠い状況で、地域の医療提供体制を再構築するには個人の力だけでは到底無理であり、国からの公的な支援が早急に必要と感じた。(関連3面)

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