宇治久世医師会と懇談 12月13日 ウェブ会議 財務省データは実態反映せず 地域医療守る開業医の正当な評価を  PDF

 協会は12月13日、宇治久世医師会との懇談をウェブ会議にて開催。地区から19人、協会から7人が出席し、宇治久世医師会の石原由理理事の司会で開会。冒頭、堀内房成会長から「24年度診療報酬改定にあたり、大変緊迫した時期に協会と懇談できることを楽しみにしており、有意義な時間にしたい」とあいさつがあった。続いて、社会保障制度をめぐる差し迫った課題について意見交換した。
 24年度改定に向けて、中医協で外来管理加算の廃止や特定疾患療養管理料の算定要件見直しが議論されている。財務省は“診療所の利益率は極めて高水準”とのデータを示し、財政制度等審議会で診療所の報酬単価5・5%引き下げを提起するなど、診療所を狙ったマイナス改定を主張している。協会は「これらの主張は断じて容認できず、具体的な改善点も含めて要望書を提出した。患者数がコロナ禍前のように戻らず経営が厳しい診療所もあり、財務省のデータは信憑性が不明。収入増の診療所もワクチン接種など献身的に対応した結果で、その点が勘案されていない」と述べた。地区からは「医療法人のデータを使っており、非常にバイアスがかかる。診療時間外の学校医や集団検診などの出務の負担も評価してもらいたい」と意見が挙がった。協会は「診療所は地区医師会の一員として行政の要請に応えなければいけない面がある。診療以外の業務への理解と対価を求めることも検討したい」と応えた。
 マイナ保険証について、地区からの「政府は現実を踏まえて考えておらず、さまざまな情報に紐づけることで強引に普及させようとしている。国民はこういった進め方についていけておらず、利用率は4・54%と低位に止まっている」との意見に対し、協会は「保険証廃止延期法案が成立するよう国会議員に働きかけており、制度を利用できない人のフォロー体制を整えた上で普及を進めるよう訴えていきたい」と述べた。
 最後に、中川雅生副会長から「社会保障制度の課題や情報提供・討論を通して理解が深まった」とあいさつがあり、閉会した。

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