えちごトキめきリゾート雪月花
心ときめく観光列車 (えちごトキめき鉄道、新潟)
北陸新幹線開業で国鉄から第三セクター化した、えちごトキめき鉄道が誇る観光列車は改造既存車両ではなく新造された展望列車です。国内最大級の車窓、鮮やかな銀朱色(鳥居の色)の車体に春夏秋冬の美しい越後の景色、“顔”の真ん中に輝く金色の楕円輪(写真1)という斬新なデザイン。2号車のカフェバーカウンターの壁や座席のカーテンの留め具は全て燕三条の特注。床材の安田瓦。天井近くまで占める大窓の曲面グラスなど、料理を含めて全てが made in Niigataです。
上越妙高駅から急勾配を登った雪月花はスイッチバックで二本木駅に入り、歴史ある駅舎やジオラマを鑑賞します。レールの下の水路に住みついた金魚や鯉、新潟と長野の境ならではの笹団子とおやきのツーショットの売店は必見です。その先はスパークリングワインを手に、妙高山、火打山、黒姫山、飯綱山の雪の妙高連峰、山間に田圃が広がる関川の絶景、U字流れの車窓を楽しみます。妙高高原で折り返して直江津までの信越線車内では、ミシュラン二つ星レストランリューズのオリジナルフレンチランチ。一段目の前菜四品、二段目のメインディッシュ四品、三段目のサンドイッチとバゲットのお重。ベニズワイガニ、バイ貝、越後上越短角牛、八色しいたけ、越の丸なす、妻有ポーク…、新潟食材満載の料理を同乗のソムリエさんお薦めのワインとともに堪能します。雪化粧の美山とフレンチの美食。美景の海(日本海)と美形のアテンダント。美味、美酒、美旅。直江津駅では立ち売りの名物「鱈めし」を購入。北陸線の“ゼロキロポスト”探勝。発車後は日本海の絶景車窓とともに究極のデザート三品と“雪室珈琲”を味わいます。トンネル駅として有名な筒石駅に停車。地底とトンネル階段を“探検”します(写真2)。終着の糸魚川はヒスイとフォッサマグナの地。駅の中に鉄道パークがあり、Nゲージジオラマ、プラレールジオラマ、トワイライトエクスプレスの食堂車プレアデスの実物。秀逸な駅。
今回の推し地酒。
君の井 山廃 純米吟醸(妙高)、雪中梅 雪中貯蔵 純米原酒(上越)、加賀の井 純米吟醸(糸魚川)
(雪月花 2023年3月乗)