医療DXに警鐘 国民のための医療を第206回定時代議員会 決議などを採択  PDF

 協会は1月25日、第206回定時代議員会を開催した。会場の京都経済センターとウェブでつなぎ、代議員68人(ウェブ61人、会場7人)、役員19人が出席。飯田泰啓議長が進行した。23年度上半期活動報告と下半期重点方針、決議を提案し、全て賛成多数で承認・採択された。(関連2面)

 冒頭、鈴木卓理事長が能登半島地震の被災地救援募金の協力を呼びかけ、「24年度は新たな医療計画が進められる中、マイナ保険証問題など課題に直面している。海外の戦争もあり、国内外で民主主義が大きく問われている。国民からの医療の要求に応えるため議論したい」とあいさつした。
プラス改定を要請
 茨木和博副理事長が23年度上半期の活動を総括した。財務省が24年度診療報酬改定に向け、診療所の初・再診料5.5%引き下げを主張し、医療界は一致してプラス改定を求めたと報告。協会も要望書を岸田首相らに提出し、再診料の外来管理加算改悪反対などと併せて要請したと述べた。国はマイナ総点検を実施したがトラブルは収まらず、マイナ保険証の利用率は4.49%(23年10月時点)まで低下と指摘。トラブル事例アンケートを基に、京都府・京都市・市町村議会に保険証廃止の撤回・凍結への意見書提出を求めたと報告した。
改定・DXに危惧
 吉中丈志理事から情勢を報告。24年度改定では医療従事者の処遇改善のための初・再診料などの引き上げに併せて、補填不足の診療所へ上乗せが示されたことを受け、医療界の運動の成果と言えるが算定の煩雑性が危惧されるとした。オン資確認義務化とマイナ保険証の強制は医療DXの推進が目的と指摘。患者と医療者にとって必要な情報共有・医療の質の向上が実現されるべきで、医療機関の情報基盤の整備と支援も必要とした。長期収載医薬品の選定療養化は医師の処方権の侵害だと強調。薬剤不足を一層助長させると懸念を示した。
医療DXで協会提言
 鈴木理事長が下半期活動方針を提案。医療DXの国の狙いと問題点を明確にし、医療側が求める医療DX提言をまとめたと報告した。これをたたき台に、患者・医療者に有益な医療DXとなるよう議論し、国へ働きかけたいと述べた。24年度改定の0.88%プラスは医療従事者の処遇改善に当てられ、医療技術料はほとんど評価されていないと指摘。さらなる運動を進めたいとした。京都府でも問題となっている有機フッ素化合物(PFAS)は、原因解明と対策を国・京都府へ強く求めたいとした。

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