新興感染症対応のためコロナ総括を機能分化より体制強化が必要 予防計画パブリックコメント 府へ  PDF

 協会は1月10日までに、「京都府感染症予防計画[中間案](以下、予防計画)」「京都府保健医療計画[中間案](以下、医療計画)」のパブリックコメントを京都府へ提出した。全文は協会ホームページに掲載。
 府の予防計画には今回のコロナ対応を念頭に、病床数、発熱外来・自宅療養者の医療を提供する機関数などの数値目標が設定された。だが、コロナ禍に確保できた病床数の実績で設定された値では十分ではない。府の第6波から第7波のコロナ死亡者数は 1340人。うち自宅療養者は57人、施設死亡者は221人に上る。これはコロナ受入病院以外での死亡者が多数存在していたことを示しており、病床数が不足していた事実も示唆している。今後の新興感染症に十分対応するために、府担当部局と京都府新型コロナウイルス感染症対策専門家会議でコロナ対応の総括の速やかな実施を求める。
 国はコロナ感染拡大を経て地域での適切な医療機能の分化・強化・連携・役割分担の重要性を示したが、コロナ禍の医療現場の混乱は医療機関間の役割分担を徹底すれば防げたものではなく、圧倒的な医療資源不足による。府においても、コロナ禍で医療現場が目詰まりを起こした。府は地域医療構想や医師偏在指標など、コロナ前に国が机上で考えた医療需給推計を用いた医療計画をいったん見直し、住民の生命を守る視点で、医療提供体制の拡充を取り入れて策定すべきである。

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