協会は中京西部医師会との懇談会を11月24日にウェブ会議で開催し、地区から6人、協会から4人が出席した。中京西部医師会の神内謙至理事の司会で開会。正木淳会長からの開会あいさつの後、協会からの「社会保障制度をめぐる差し迫った課題―医療DX・保険証廃止・第8次医療計画等を中心
に―」をテーマに意見交換した。
2024年度診療報酬改定に向けて、中医協では外来管理加算の廃止や特定疾患療養管理料の算定要件の見直しが議論されており、財政制度等審議会では診療所の初・再診料は5・5%程度引き下げるべきと建議された。これに対して地区からは「一部のデータだけを切り取って、法人診療所がもうけているとのデータを出しているが、個人診療所のデータは反映されていない。公平性が保てているか疑問だ。医療保険財政を逼迫させているものが何かを精査せず、単に診療報酬が高いから引き下げるといった考えはいかがなものか」「発熱外来やコロナワクチン接種による補助金などで収入が増えたことによって、診療所がもうかっているから診療報酬を下げるのは本末転倒であり納得いかない」との意見が出された。
協会からは「財務省の統計・調査は、偏った対象を基に作成されているのではないか。補助金などは除外して、本来の診療分のみをコロナ流行前の18年、19年と比較して分析すべきだ。財務省の統計そのものを疑問視しており、きっちり検証しなければならない。何もせずに補助金だけを受け取っているような報道は許容できない」。さらに診療報酬改定に関しては「外来管理加算の廃止や特定疾患療養管理料の算定要件の見直しなどは、診療所にとって死活問題であり絶対に許してはならない。中医協への働きかけを強めていきたい」と応えた。
その他、外国人に対する診療に関して地区から「日本語や英語を話せない外国人が医療機関を受診した場合、診療にとても手間がかかる。その手間への補填が必要ではないか」との意見が出された。協会は「例えば外国人診療加算の創設を求めるなどを検討したい」と述べた。
MENU