医会寸評  PDF

 消費税についての日本医師会の新しい税制要望が9月6日公表された。「社会保険診療等の消費税について、診療所は非課税のまま診療報酬上の補填を継続しつつ、病院は軽減税率による課税取引に改める方針に転換」とのことだ。否定的な意見が大半だが、個人的には一理あると思った▼病院団体からは以前より社会保険診療の消費税課税化の要望があり、大きな反対はないものと思う。一方、現在消費税非課税の診療所の場合は診療報酬の消費税課税化は「損税」解消のメリットはあるものの、失うものも大きい。したがって非課税を維持して診療報酬で補填する方針を小生は歓迎する▼しかし実際に実施されると、多くの問題が予想される。まず患者負担増。これは軽減税率の調整で何とかなりそうではある。次に現状、消費税分は診療報酬で補填しているというのが行政の立場であるため(全く信じてはいないが)、補填分3.78%は課税化されたときに引き下げてくるだろう。非課税の医療機関は補填済みとされている診療報酬のままなので、診療報酬表が2種類でき混乱が予想される▼以上個人的な感想を述べたが、皆さまもいろいろなご意見をお持ちのことと思う。消費税の議論はなかなか盛り上がらないのが現状である。いろいろな機会でご意見をお聞かせいただけると幸いである。(内)

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