今年一番の思い出 中村 佳子(中京西部)  PDF

 子どもたちが小さい頃は、夏休みには毎年海水浴に(時には冬休みにも南半球の時差の短い所へ)連れて行きました。お陰で私の背中はシミだらけ(後になって出てきます)。歳とともに海水浴は避け、行くなら山が多くなりました。
 今年の元日は初詣に初めて善光寺へ行きました。大晦日から松本城近くの古いながらもちょっとモダンで、オーナーが女性のパティシエのお料理も美味しいホテルに宿泊。元旦は早朝からバスに揺られ、澄み切った青空と諏訪湖を眺めながら向かいました。「遠くとも一度は詣れ善光寺」と言われるだけあり、参道は想像以上に混み合っていました。無宗派のお寺ですが、御本尊の阿弥陀如来は百済から渡ってきた日本最古の仏像と伝えられ、昔から地元だけでなく遠方の人たちにも慕われてきたお寺です。
 参詣者のもう一つのお目当ては参道沿いに並ぶ土産物や食べ物屋でしょう。有名な七味唐辛子屋があり、自分好みのブレンド七味を作ってくれるというので私もお願いしました(写真1)。信州大学と共同で作った唐辛子も入れ彩りが綺麗に。
 翌朝は完全な防寒対策をして出発。目指すは中央アルプス木曽駒ヶ岳。途中で小型バスに乗り換え、駒ヶ岳ロープウェーで、眼下に樹氷を見ながら標高2612mの千畳敷カールに到着(写真2)。360度雪に覆われた山々は吹雪でほとんど見えないのですが、スーッと一瞬視界が晴れるとその勇姿を現し、その瞬間は身体が吸い込まれるほどの迫力でした。雪山に魅せられる人たちの気持ちが分かった気がし、雪山は怖いと思いました。
 松本城周辺には多くの湧水、井戸があり自由に飲むことができます。散策していると「かえる横丁」を見つけました。昔この辺りに多く棲息していたカジカガエルが名前の由来だとか。そこで見つけた蛙の置物は今、玄関で無事に帰るのを待っています(写真3)。

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