「勤務医に役立ち病院の経営に資する情報提供」と「保険医協会の事業の特長を知っていただく」ことを目的に、協会は6月28日、勤務医のための講習会をウェブで開催。京都府内病院の勤務医9人が参加し、上田和茂理事が進行した。
「勤務医に役立つ保険医協会の共済制度」として曽我部俊介理事より、「医師賠償責任保険」のサポート力、「斡旋融資制度」の低い利率と使いやすさを紹介した後、「グループ保険」と「保険医年金」の特長点を詳しく解説。保険医協会への入会と、共済制度の利用を呼びかけた。
また保険医協会は、医療機関・患者さんともに安心・安全な医療体制となるよう、国や京都府などに充実、改善の要請を続けていることを説明。勤務医師にも、国民皆保険制度を守り、地域医療を守る活動への協力をお願いした。
「勤務医が知っておくべき実践的な保険診療」として福山正紀副理事長は、保険診療を行う上で大前提となる「保険医療機関および保険医療養担当規則(療担規則=保険医療機関や保険医が保険診療を行う上で守らなければならない基本的なルール)」に基づき、減点査定の恐れのある事例を解説。医師法により「病名を付けることができるのは医師だけ」であることを強調した。また、保険医協会に寄せられた病院の減点事例や誤りやすい検査の算定要件を解説。添付文書(効能・効果)の熟読が「減点の防止」につながること、病院から診療所へ紹介する際の情報提供や薬剤の継続処方時の留意点など、実際のレセプトを用いて具体的にアドバイスした。加えて、診療科別の取り決めを掲載した書籍(各学会等が発行)や検査に関する参考書籍を紹介し、病棟や外来診察室での活用を呼びかけた。
参加者からは「勤務医の資産形成や保険診療理解に直結した内容で参考になった」「査定されて、『どうして』と思うこともあったが、事例の提示で納得でき、注意すべきことが理解できた」などの感想が寄せられた。