協会会員アンケート
調査時期=2023年3月22日 3月30日
調査方法=ファクス
調査対象=ファクス登録のある会員医療機関1573
回答数=177(回収率11%)
(無床診療所130(73%)、病院40(23%)、有床診療所7(4%))
電力料金等光熱水費の高騰が医療機関の経営に大きな影響を及ぼしている。京都協会をはじめ全国の保険医協会・医会が会員医療機関に影響調査を実施した。以下、京都協会の調査結果を報告する。
物価高騰で経営に
深刻な影響
電力料金では昨年同時期と比較して「上がった」が89%(図1)、増減の程度は「10%以上30%未満」が38%、「30%以上50%未満」が23%と回答(図2)。ガス料金は「上がった」が58%の一方で無回答も29%となった(図3)。増減の程度は「10%以上30%未満」が33%、「10%未満」が21%との回答を得た(図4)。
灯油料金と食材料費についても尋ねたが、灯油料金は72%が、食材料費は全体の49%が無回答。回答した多くの医療機関が使用・提供していないと考えられる。対象となる病院・有床診療所の食材料費の回答では、昨年同時期と比較して「上がった」が86%。増減の程度は「10%以上30%未満」が37%、「30%以上50%未満」が40%となった。
物価高騰への対策では、「照明の間引きなど」が最多で59%、「空調温度の調整」が42%となった。一方で、「体調の悪い人が来る施設での節電対策には限度がある」「感染予防対策がままならなくなる」との声も寄せられた。
また、「診療報酬に物価高騰分が反映されない状況では利益圧縮とならざるを得ない」「物価高騰で家計が圧迫され、患者の受診抑制が起こっている」「人件費を上げたいが、利益減少で難しい」との意見も出された。
行政への要望では、圧倒的に「診療報酬の見直し」「継続的な補助金の交付」を求める声が占めており、その他にも「診療報酬への反映が難しいなら税制面の優遇を」「医療機関への支援も充実してほしいが、患者へのあらゆる助成も検討してほしい」との声が寄せられた。
行政に支援求め要請
協会はこの調査結果を受け、5月25日に京都府へ医療機関に対する物価高騰対策支援の実施・継続を要請。同日、京都市以外の府内自治体に要請書を郵送した。京都市へは6月8日に要請を行った(本紙第3147号既報)。府は現在検討中と回答。
京都市は5月議会において国の臨時交付金を活用した物価高騰対策支援金などを盛り込んだ予算を可決。中小事業者向けは法人3万円、個人事業者2万円の追加交付の受付を開始した。4月末までに開業した医療機関が対象となる。2022年に実施した第1弾支援金の交付を受けた医療機関は新たな申請は不要。新規申込は8月10日までに郵送またはウェブ申請する。
支援金の詳細・申請はこちらから
影響調査全国版は保団連が集約。調査結果を「物価高騰に対する政府の対応を求める要請書」として取りまとめ、5月31日付で首相、財務大臣、厚労大臣宛に送付した。
アンケート結果・要請書はこちらから